本当に偶然なのですが、つい先日まで高嶋哲夫氏の「M8」そして「TSUNAMI 津波」を読んでいました。日本を舞台にした地震サスペンス小説です。
ご存知の方も多いかもしれませんが、高嶋哲夫氏は1949年7月7日岡山県玉野市生まれ。慶應義塾大学工学部卒業、大学院修士課程修了後、日本原子力研究所研究員を経て、カリフォルニア大学に留学。
そして推理小説家に転進したという科学技術を直に学び知っている方です。
「M8」では直下型大地震が東京を襲います。
物語的には阪神・淡路大震災を体験した若手研究者がマグニチュード8規模の東京大地震を予知します。
当時、被災しながも無力だった自分。そして多くの対応が後手に廻ったあの過ちはもう繰り返してはならないと無名の研究者が奔走するわけですが、それ以上に東京に巨大地震が起こったら、高速道路は、地下鉄は、都心のビル街は、いったいどうなるのか。
著者の研究成果とデータを基に最新研究に基づいてシミュレーションしたその具体的かつ精緻な描写が実にリアルに地震の恐ろしさを描いています。
そして、その続編「TSUNAMI 津波」では、東京直下型地震の10年後、今度は太平洋沿岸を巨大地震と大津波が襲います。
そう今回の東北関東大震災と同様、プレート海溝型地震である東海地震、東南海地震、南海地震が同時発生し、直後、巨大な津波が日本を襲う物語になっています。
実はこの小説を読んで「地震予知」についてとても考えさせられました。
もし、「一週間以内に巨大地震が起こる可能性が90%の確率であります」と予知情報が出た時、自分はいったいどうするか。
信じるのか信じないのか?
そして、それが当たらなかったら「よかった」と思えるのか、それとも「人騒がせな」と腹を立てて不満をいうのか。
考えるまでもなく、後者であるに決まっています。
もし、人生のうち必ず誰しも一度は体験する巨大地震であるならば、その怖さは骨身に染みるでしょう。
けれど、100年に一度の地震は遭う人と遭わない人のいる難しさ。
それ以上に地震予知の難しさ。仮に現在唯一の予知可能と言われている東海地震の予知情報が出て、その対策(交通網の遮断等)をとると一日約6000億円近い経済的損失になるそうです。外れた責任はいったい誰が取れるのか。
先端科学技術の粋を集めた地震予知。しかし、世間一般的な人から見たら「いんちき占い師」と同じような評価。
しかし、それでも客観的なデータでは地震発生の確率は高い。
その時にまた予知情報は出せるのか。
そして、それが2度3度と繰り返された時、人はどんな態度をとるのか。
人は外れたことをよろこんで騙され続けられるのか…
考えれば考えるほど難しい問題です。
そして、誰一人信じなくなった時、多分最悪の結果とともに地震はやってくるのです。 そんなものだと思います。
それにしても、津波、長周期地震動、液状化現象、石油備蓄タンク火災、帰宅困難者、避難所生活、地震時における原発事故…
それらすべてが小説に細かく描かれており、現実にまさにその通りのことが起きてしまいました。(尚、小説では原発事故は一人の原発所員の如何にも小説的な自己犠牲による行動で最悪の結果は免れることになりますが…現実の世界はなかなか厳しい状況ですね。)
実際、ここ数日のテレビの映像を見ていると小説がそのまま映像化がされたようです。
小説で知ったことですが、津波にやられたご遺体は正視できないような酷い状態になるそうです。
いや、今はまだそんな話はやめておきましょう。
しかし、ここ30年以内の地震発生確率。
今回の宮城県沖地震は99%だったそうです。
そして、東海地震は84%。東南海地震が50%、南海地震40%だそうです。
さらに南関東地震(東京)は70%の高確率です。
密かに忍び寄る巨大な危機。
今こそ、心しなければいけませんね。
けれど、それ以上に今は目の前の大災害をどうにかしなければなりません。
最悪のシナリオは気象庁が予測した16日、そう今日までにM7以上の余震が来る確率は70%が当たるかどうか。
最大余震は本震の-1が平均的です。
被災地が、そして原発がこうなっている今、「M8」に襲われることだけは絶対に、絶対に避けたいものです。
30%に願いを掛けます。
神様、どうか、それだけはやめてください。お願いします。
< Nikon D40x + Nikkor AF-S 50mm F1.4G >
100年に一度の津波に対するスーパー堤防は不要って言っていた事業仕分けはどうなるのでしょうね。
人知れず、今、原発で命をかけて戦っている人たちのことを考えると胸が詰まります。
TSUNAMI というと、桑田のしわがれ声が聞こえてきたのですが、最近は悲鳴が聞こえるような気がして耳をふさぎます。
返信削除「津波」は沖合を航行する船舶の被害は少ないにもかかわらず、港(津)では大きな被害をもたらすことに由来するそうですが、英語で、Tsunamiという語が初めて使われたのは、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が1897年に出版した『生神様』の中とされます。
元々英語圏では"tidal wave" という語が使われてきましたが、地震による波にこの語を使うのは学問的にふさわしくないとされ、現在では tsunami が用いられるのです。
専門用語だったTSUNAMIですが、スマトラ沖地震で津波が激甚な被害をもたらしたことが世界中に報道されたことを契機に、一気に各国の言語で一般語として普及したようです。
TSUNAMI と言う音の響きには、恐ろしいエネルギーを感じます。
おそらく、そのエネルギーには悪意のかけらも無いのでしょうが。
スマトラ沖地震の時、その津波の映像を見て「ものすごい!」って思ったものですが、今回の映像はそれ以上の衝撃です。
返信削除それにしても自然、地球という規模のパワー、エネルギーは凄まじいものですね。
深さ3000mの海水を軽く持ち上げる力ってのはいったいどれほどのものなのか想像すらできません。
あと「津波」という言葉の響きがよくないです。いや、よくないというか個人的にはあまり怖そうじゃないのがよくないって感じ。^^;
おっしゃるようにエネルギーは感じますが、歌のタイトルに使われちゃうような語感の言葉は災害用語としてはふさわしくない気がします。
じゃあ、どんなの?と問われても答えは持ってないのですけど…^^;
あぁ、でも、この感覚って海を持たない場所で育ったからかもしれませんね。
それにしてもサザン「tsunami」は当分封印ですね。
FM局などにリクエストすることすら不謹慎ということになる。
こんばんわ
返信削除くりまんさん
仙台市青葉区在住の知人と昨日午前、携帯電話で話をする事が出来ました。元気な声を聞く事が出来て、うれしかったです。が、気仙沼市在住の知人宅の電話は、依然として不通です。今回の地震で、千葉県御宿在住の従兄宅や、取手市在住の父の親戚宅等に電話をかけまくり、無事を確認。
仙台の知人から届いた昨夕のメールには、昨日4時間並んで、一人10品の規制で買い物が出来、まだいいほうだとの事です。こちらもスーパー、品薄だけど、被災者の方々の思いすれば、ぜいたくを言っていられませんね(-_-;)
福島県白河郡西郷村に在住の友人宅は、ライフラインが早期に復旧したとの事で、同じ福島県に住んでいて、被災者の事を思うと切ないと・・・メールに記してありました。
仕事の関係上、主人は、本日午前3:20自宅を発ち、
被災地の関連病院等の支援活動の為、東北へ向かいました。
19日(土)まで滞在です。我が家は、私が守っているから、体に気をつけてがんばってきて・・・と送り出しました。本日、会社に到着直後に計画停電に・・・午前中は、仕事になりませんでした
今日,避難所に福島県から避難してきた方たちが到着しました。
返信削除どこの市町村から来たのか知らないけれど,遠い茨城までの移動,大変だったろうと思います。
が,茨城県防災本部が指定している避難所はつくば市の体育館。
つくば市は学園都市があり,早くからライフラインが復旧していて比較的被害が少なかったので,その方が快適な避難生活が送れるでしょう。
でも…つくば市は最寄りのインターから高速に乗っても常陸太田から1時間はゆうにかかる場所。
ガソリンも簡単に手に入らないし,高速だって通行止めで水戸までいかないとのれない。
涙ぐみながら申し訳なさそうに受け入れを断る市の職員と「大丈夫!皆さんのせいではありませんから!」と笑顔で答える避難者の方々。
トイレを借りに寄った避難所で,こんな光景に出くわすとは思いませんでした。
あの方々が無事につくば市に着くことを願っています。
報道はあまりされていませんが,茨城県北部では
津波がきた沿岸部や山間部で,上下水道や電気がまだ復旧していなかったり
避難所で暖をとるための灯油や避難者全員に行き渡る食料が十分になかったりしています。
高齢者や乳幼児を抱えたお母さんが寒い中数時間並んでスーパーで買い物しています。
そのスーパーも,魚や肉,乳製品など保冷設備の必要な商品は一切なく,購入数も制限。
うちの近所のお店では頑張って今日まで販売してくれていましたが,
被災状況が悪く今日をもって閉店となりました。
移動手段をもたない方たちは,明日からどうしよう…と困っています。
なんだか,愚痴っぽくなってしまってすみません。
でも本当に困っていて,助けの手を必要としている方たちがいる現実。
今回の計画停電からはずされた茨城。
近県の対象地域の方々には本当に申し訳ないと思います。すみません。
だから,“小さなお手伝い”と言ってくださったこと,涙が出るほど嬉しいです。
日本に早く安全と平和が来ますように!
奇跡のmyu さん、こんにちは。
返信削除今日は2度の停電でなかなか大変な一日でしたね。
とりあえず、お疲れ様でした。>対象地区の皆様。
とはいえ、まだこれから計画停電になる方もいらっしゃいます。とても寒いので厚着して頑張ってください。^^
さて、未だに安否の確認が出来ない方がいらっしゃるそうでご心配ですね。
一刻も早く「無事です!」とのご連絡が訪れるよう願っております。
また、ご主人は東北へ支援活動ですか。
仕事とはいえ、本当にご苦労様です。頭が下がります。
是非、ご無事の帰宅を切に願っております。
オリバーママさん、こんにちは。
返信削除現在の関東地方、けして恵まれているとは言えませんが、東北の方に比べれば遥かにマシです。
本日は朝と夕方の2回、延べ6時間の停電となりました。
実際、笑っちゃうほど寒かったです。昼間っから毛布に丸まっているなんて生まれて初めての経験でした。いやぁ、この程度のことですら、正直、骨身にしみました。^^
でも、やっぱり体験しないと真の辛さは分からないですね。
そして、福島から避難してきた方々、本当の辛さはその立場にならないとやはり分からないと思います。
頑張れ東北、頑張れ関東、頑張れ日本!
しかし、何が一番ピンチって、この辺りではなんといってもガソリンがピンチです。
くりまんじゅうの車も残り走行距離30キロと表示されています。(タンク残量と平均燃費から車が自動に計算してくれます)
まぁ、自宅と職場の往復だけでしたら一日3キロ、まだ10日は持つか!と思ってますが、配送が出来ません。市内殆ど売り切れでガソリンが売ってないんです。^^;
さて、明日はどうでしょうか?
まっ、しかし、世の中、なるようにしかなりませんから…
悲観はまったくしていません。(経営者としては失格かな?^^;)
ガソリン…そうですよねぇ…
返信削除茨城も同様,ものすごい行列です。
数時間待って買えてもやっと10リッター。
今日は佐川急便の車を見かけましたが,どうやって給油しているのか全くナゾです。
そうそう,機械動かす重油(?)は大丈夫なんですか?
実はそちらも密かに心配しているオリバーママです。
震災直前に,重油も値上がりしてこまっている洗濯屋さんが報道されていたので…
パパはこの時代にしては珍しくディーゼル車をのっている同僚がいるようで,みんなで乗り合わせて出勤しています。
軽油ならいくらでも買えるんですね~,驚きです。
今日まで自宅待機が掛かっていたオリバーママ。
子供たちのパワーにおされぎみでしたが,防災無線がなるとシーンと静まり返るために雷おとす回数は少しで済みました。
まぁ,この自宅待機というのも,本当かどうかわかりません。
もしかしたら,子持ちで公安職の旦那さん持ちのママにボスが配慮してくれているのかな,と思っています。
明日から,いよいよ出勤です。
あかりの自転車を借りて行こうと思います。
オリバーにサドルをかじられてますが,背に腹は代えられません!
オリバーママさん、こんにちは。
返信削除本日、「ガソリン」入れることが出来ました。
来週まで「入れないものね!」と決めていたくりまんじゅうですが、弟から「今ならスタンド少し空いてるよ」と電話で連絡を貰い、「お願いだから入れてきて!」とぶ~こに促され、「じゃあ、入れてくるか!」と…(汗)
しかし、ガソリンスタンドの光景はあまり…というかかなり気分が悪いもの。
給油20リットル制限なのですが、セルフなのでタンクにそれ以上入らない容量を無理して入れようとするから、溢れてこぼしている人がいるんですよ。
なかには5リットルしか入らない…なんて人もいる。
まさに不要な給油。
こいつら馬鹿じゃねぇのか!と思いました。
大口ユーザーなのでかどうか分かりませんが、くりまんじゅうの車を見るとスタンドの手人さんが「制限解除しておきますので余分に入れてください…」と耳打ちします。
「ありがとう」と答えつつ余分に入れませんでした。
うちのボイラーは重油じゃなくて灯油なのですが、こちらから求めたわけではありませんが、現状は不足なく供給していただいています。
というより、操業時間自体が激減していますので油を使う暇がないです。(汗)
オリバーにやられたあかり号。昨年、見せてもらいました。
でも乗れればよし!
お仕事、頑張ってください。^^)v