朝早く仕事に行ったぶ~こから、突然電話がありました。
「なに?」
「あのさ、昨日の夜、くりまんじゅうが寝てからビーフシチュー作ったんだけど、美味く出来てないんだ…」(少し泣き入りの声)
「……」
「ちょっと味見して、何が足りないんだか、教えてくれる?」
「今…?」
「そう、今すぐ!」
「ちょっと、待ってて…」
居間から、台所へ向かうくりまんじゅう。コンロを見ると大鍋いっぱいのビーフシチューがありました。鍋蓋を開けて、スプーンですくってペロリ。う~ん!
「どう?不味いでしょ」
携帯電話の向こうから聞こえてくる声。
「そんなこと、ないんじゃない…」
「そんなことなくない!絶対、変!あぁ、なのにあんなにいっぱい作っちゃって、どうしよう…」
「……」
「直して!仕事が終わったらすぐ材料買って帰るから。何、買っていけばいい」
「……」
「早く言ってよ。忙しいんだから!」(相変わらず、強引だ… とても、人に物を頼む態度じゃない…)
「赤ワイン、使った?」
「使ってない」
「トマトピューレは?」
「使ってない」
「ケチャップは?」
「ない!終わってる…」
「なら…とりあえず、その辺、一式」
「お肉は?分量が少なすぎない?」
「あの鍋一杯に作るのなら、全然足りてない」
「でしょう。私もそう思ってた」(得意そう)
「脛肉でいい?でも、売ってないんだよね。シチュー用のお肉って…」
「牛ブロックでいいよ。切ればいいんだから…」
「あっ、そうなんだ!あと、足りないものある?」
「たまねぎはある?」
「それはある」
「デミグラは?」
「一缶、残ってる」
「じゃあ、大丈夫じゃないかな…」
「分かった」
電話がガシャンと切れました。
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夕方、ぶ~こが帰ってきました。
「ねぇ。どうしたらいい?」
キッチンから声が聞こえてきます。
「とりあえず、それに何かを加えるより、ベースを作り直した方がいいかもしれない…」
「どうするの?」
「まずは、たまねぎ、薄いスライスでもみじん切りでもいいから切っておいて」
「は~い」
「お肉はブロック売ってなかったから、これ!」
そう言って「シチュー用」と書いてある肉を取り出しました。
「いいんじゃない。じゃあ、それを先にオリーブオイルかなにかで炒めて…」
「昨日、肉を炒めなかったんだよねぇ。それが敗因かなぁ…」
そんなことを言いながら、ぶ~こはフライパンで肉を炒め終わると、たまねぎを切り出しました。薄くスライスかみじん切りと言ったのに「ザク切り」に近い刃の入れ方です。
「そんなに厚く切ったら、炒めるの大変だよ」
「えぇ、だったら、早く言ってよ!」(言ったはずなのに…)
「たまねぎは5つくらい使ってもいいんじゃない。その鍋の分量なら、本当は8個くらい必要かも…」(それでも少なめに言いました)
「そんなに使うの?多過ぎてフライパンで炒められないよ」
「レンジで3、4分加熱しておいて、炒めれば速いよ。小さくもなるし…」
「そうなんだ…」
レンジが「チン」となり、くりまんじゅうが手を出そうとすると、
「熱いからヤケドするよ!」
そして、今度はそれをフライパンで炒めようとすると、
「廻りが熱いから気をつけてね!」
邪魔な鍋を片付けようとすると、
「それは、そこに置いて!」
(だから、そこへ置こうとしているのに…(~~; )
「いいよ。ここから先はやるから…」
そう言って、くりまんじゅうがコンロの前に立つと、横でぶ~こは見張り番のように立ってました。
(続く)
素敵亭のお料理より、くりまんじゅうさんと
返信削除ぶーこちゃん合作のビーフシチューの方が、
愛情たっぷりで美味しそう!!!(素敵亭さんごめんなさい)
いえ、素敵亭のほうが美味しいです!(笑)
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