2010-07-06

ちあきなおみでしめっぽいお話

 昨日に引き続き、本日もまた「ちあきなおみ」です。

 カバー曲『五番街のマリー』です。

 実は若い頃のちあきなおみさんを見ていて、7年前に亡くなった従姉のことをふと思い出していました。(同い歳だったので、従姉と書くのか従妹と書くのか分かりませんが、2ヶ月ほど彼女の方が生まれが早かったので従姉と書きます。生前、姉という気は全然しなかったけど…)

 生前、容姿も雰囲気も、ちあきなおみさんに似ていたと思ったことはなかったのですが、何故か古い映像を見ていて重なりました。

 東京府中へ嫁いだ叔母の長女。
 小学校に上がる前から高校を卒業するくらいまで、夏休みを始めとして少し長い休みになると母親の故郷の群馬へ来て、いつも一緒に育ってきたので、従姉というよりも姉弟と言う感じでした。(叔父も群馬出身であり、同時に父親の小中学校の同級生でもあります。)

 従姉は学校を卒業後、頑張ってJALのスチュアーデスになりました。
 ちなみにいつ、なぜ「スチュワーデス」が「キャビンアテンダント(もしくはフライトアテンダント)」に変わったのか知らなかったので、調べてみたら、次のような理由でした。

 『男性の場合には「スチュワード」「パーサー」(「パーサー」はその便に乗り組む客室乗務員達のリーダーの事である)、女性の客室乗務員は、「エアホステス」「エアガール」、最近まで「スチュワーデス」と呼ばれていたが、1980年代以降、アメリカにおける「ポリティカル・コレクトネス」(この場合は性表現のない単語への言い換え)の浸透により、性別を問わない「Flight Attendant(フライトアテンダント)」という単語に言い換えられた影響で、この和訳である「客室乗務員」という言葉が正式とされるようになった。
そして、日本航空においては1996年9月末日で「スチュワーデス」という呼称は廃止された。』

 だそうです。

 御巣高山に墜落したJAL123便には親友が客室乗務員として乗っていたそうです。

 事故のすぐ後に会った時『あの制御のまったく利かない恐怖の30数分間、いったいどんな気持ちで業務に従事していたのだろうか。お客様には「大丈夫です」と言っていても大丈夫じゃないことは、自分自身が一番分かってる。その間、いったい何を考えて、何を思っていたのだろう…』
 そういうとテーブルの上に顔を埋めて号泣していた姿が今でも思い出されます。

 その後、しばらくは飛ぶのが怖い…と言っていましたが、それでも立ち直り、結婚した後も世界の空を飛んでいました。

 彼女が自分の身体に異変を見つけたのは今から13年程前のことでした。
 ある時、ふと、自分の右足の先を見るとその親指の爪の中に小さな黒子のようなものがあったそうです。
 けれど痛くも痒くもない。
 仕事が休みの日、近所の町医者に診てもらったそうです。

 「黒子が爪の中に出来たのでしょう。別に問題ないでしょう…」
 それがその時の医者の診断でした。
 それから約3年、いつの間にか徐々にその黒い黒子状のものはサイズを広げ、次第に痛みも伴ってきたそうです。

 既に住まいを都心に越していたので、その近くの病院へ行くと「紹介状を書くのですぐに大学病院へいくように」と深刻な顔で言われたそうです。
 翌日、伊勢原市にある東海大学病院へ…

 診察の結果、「黒色腫」でした。悪性の皮膚がんです。
 緊急に切除手術が必要だと言われたそうです。
 ただ、問題はどこから切り落とすか…右足の親指か、足首からか、それとも膝から下か…
 医学的な専門知識はまったく持ち合わせていませんが、黒色腫は「切ると飛ぶ」と言われているそうです。そう、切除すると他へ転移するというのです。
 担当の医師からは、出来ることなら、右足を付け根からすべて切り落とすことが一番、生存確率が高いと言われたそうですが、従姉は足を失い空を飛べなくなるのなら、死ぬ方を選ぶといって親指だけを切除しました。

 幸い、手術自体は無事成功。
 その後、約半年ほどリハビリに努めましたが、職場への復帰も出来ました。但し、負担の掛かる国際線から国内線へ切り替わったそうですが…

 手術後、従姉はよく言っていました。

 「もし別の病気で死ぬのなら明日、死んでもいい。でも、この病気では死にたくない。この病気だけには負けたくない。絶対に…」

 不安だったのだと思います。
 そして、本来なら一番の理解者であり、甘えられるべき存在の母親(叔母)は、やはり若くして他界していたのでおりませんでした。

 それから約3年弱、なにごともなく親族は完治したものだと思っていました。
 けれど、その日は突然やってきました。
 子供はいなかった従姉ですが、弟の子供たちを大変可愛がっていました。
 ちょうど仕事が休みだったということもあり、その日は府中の実家に戻り、姪っ子の運動会を応援して、夕方、三軒茶屋の自宅に戻ると、突然、頭を痛がり始めました。

 救急車で大学病院に搬送されてそのまま集中治療室へ…
 連絡を受けてすぐに群馬から病院へ駆け付けましたが、既に意識不明の状態でした。
 そして、結局、意識は一度も戻ることなく、2週間後に亡くなりました。
 41歳の若さでした。

 死因は黒色腫から転移した脳腫瘍でした。
 本人には伝えていなかったそうですが、定期検診の結果、2、3カ月前に脳腫瘍が見つかり、夫と父親だけには、医師から「もう手の施しようもない、どうにもならない大きさになってしまっている」ということを内緒で伝えられていたそうです。後から叔父に聞きました。

 従姉が亡くなった後も、ずっと気丈に振舞っていた叔父ですが、葬式の後、叔父が私の父の隣で「オレ、なにか悪いことしたのかなぁ…お前の妹を死なせて、今度は娘を死なせて……中学卒業して、お前と一緒に東京へ出てきて、丁稚奉公から始めて、ずっと頑張ってきたのになぁ…でも、やっぱりオレがなにか悪いことをしたのかなぁ…」と呟きながら、慟哭していた姿は忘れることが出来ません。

 この秋が来ると、あれからもう丸7年が経ちます。
 本当に早いものです。

 野球が好きで、特に松井秀樹がヤンキースに移籍してからはニューヨークにまで応援に出かけていきました。
 亡くなる2月程前の事、偶然、本当に偶然にニューヨークの街で会ったという松井と一緒に写っている写真が彼女の遺影になっています。
 「松井と会っちゃったんだよ~!!!!」とその写真はすぐに群馬へ送ってきました。

 残酷にもこれから天に召そうとする神様の気まぐれだったのかもしれません。
 いや、それとも運命に逆らえない従姉にとっての神様からのプレゼントだったのでしょうか…

 なんだかしめっぽい話になってしまい、すみません。m(_ _)m
 同じ頃、芸能界から姿を消したちあきなおみを見ていたら、そんな従姉ことを思い出してしまったのでつい余分な話を書いてしまいました。

 あっ、こっちにも謝っておかないとか…

 「ブログに余分なこと書いちゃってごめんね。ケイちゃん!」
 「でもさ、ここにこんなことを書くのもキミが生きていた証だから・・・」
 「頑張って生きてきた証だから、いいよね!」

 写真の方も同様に昨日からの続きのものです…
 サギの写っている写真で雨粒が見えるように、いきなり凄い雨が降ってきて全身ずぶ濡れになりました。^^;
 5分ほどでやみましたが、会社付近まで戻って来てまた降り出しました。
 まったく酷い目に合いました。^^;

 明日はまた馬鹿話に戻ります。(笑)

 < Nikon D700 + Tamron SPAF90mm F2.8 >

14 件のコメント:

  1. なんでんtoshi2010年7月6日 9:44

    こんにちは、
    従姉さんは早くして亡くなられたのですね。
    短かったでしょうが、おそらく充実した一生を送られたのではないかと思います。
    当時JALのスチュワーデスだったと言うことは、かなりの美人ではなかったかと思います。(今は期待できませんが)
    ちあきなおみの歌は、このような人生を語るときのバックグラウンドとして最高です。
    期待していたとおりです。
    辛い話を思い出させてしまいましたが、本当に有難うございました。
    涙がでて止まりませんでしたました。

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  2. なんでんtoshi2010年7月6日 11:32

    こんにちは、
    感動のあまりついリクエストを忘れていました。
    今度はあの第一勧銀出身の小椋 佳をお願いします。
    さて、どんな選曲になるでしょうか。

    選曲でその方の性格が何となく伝わるような気がします。

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  3. こんにちわ
    くりまん様の従姉さんも、若くして逝ってしまったのですね
    (=_=)私の従姉も、34歳で逝ってしまいました。
    膵臓ガンでした。『美人薄命』・・・彼女は、まさにそうでした。4歳になったばかりの愛息を残して・・・
    彼女が亡くなってから、しばらく経って、(彼女の叔父である)私の父は、私に言ったものです。『○○(彼女の名前』は、綺麗だったから火葬場で火葬するのは、もったいないから、火葬場でおまえの顔と取り替えればよかったなぁ~』なんて言ってましたっけ(>_<)(いくら冗談をよく言う父でも、リアルタイムでは、、言わなかったです。父方の親戚が集う時に、その話を時々する私)
    今年ももうじき命日がやってきます。22回目の命日です。命日には毎年、お墓参りさせていただいています。命日と、私の姪の誕生日が同日(従姉が亡くなった日は、姪の5歳のBDでした)
    あれから22年の歳月。その姪も来年には挙式披露宴が控えています。
    歳月の流れを感じます。

    最近は、懐かしい歌で感動しています。
    毎日、楽しみです。リクエストをお願いしたいのですが・・・
    エメロンシャンプ-のCM曲 ハニ-ナイツ
    『ふりむかないで』です。
    東京・札幌・仙台・名古屋・大阪・博多と地名が出てきます。
    なぜか、ご当地ソングが好きな私です。

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  4. あれ?^^;
    昨夜、見たなんでんtoshiさんのコメントが…消えてます。
    ここ『ゆめなか』で時々起きる怪現象…
    なんでんtoshiさんが、自ら削除されたのでしたらいいのですが、またまた発生した現象だとすると問題ですね。

    さて、コメントをありがとうございます。
    少し見栄っ張りで勝気な従姉でしたが、明るく優しい人でした。
    仰るように太く短い生涯でしたが、彼女は彼女なりに精一杯生きたと思います。

    また、小椋佳のリクエスト、ありがたく頂きました。
    詩の、日本語の芸術家ですよね。小椋佳!くりまんじゅうも大好きです。

    もし、システムの不具合でのコメント消失であれば、コメント原本はメールに保存されていますので、再掲載いたします。(^^)

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  5. 奇跡のmyu さん、こんにちは。

    34歳とはお若いですね。
    しかも小さなお子さんがいらしたとすれば、まさに無念だったと思います。
    その心情を思うと本当に辛いですね。
    また、姪御さんがご結婚とのこと、おめでとうございます。
    悲しいこともあれば、辛いこともある。それがまさに人生ですね。

    エメロンシャンプ-のCM曲 ハニ-ナイツの『ふりむかないで』。
    平成も22年の今、なんとも実に味わい深いリクエストをありがとうございます。(笑)
    了解しました。探してみます。^^;

    「東京・札幌・仙台・名古屋・大阪・博多…」
    あの当時、「みんな、大都市ばっかじゃん!もっと田舎も!」って思ってました。
    でも、「振り向かないで、安中の人~♪」って本当に振り向いて欲しく無かったりして…(爆)

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  6. あっ、やっぱり変だ。
    前の記事のMEETSさんのコメントもくりまんじゅうのコメントも消えています。
    この記事のコメント数も3つしか表示されていないのに「5コメント」ってなってます。

    うーん、なぜ?

    返信削除
  7. ちあきなおみで、思い出したのは「夜へ急ぐ人」
    結構インパクトありました。
    喝采はノンフェクションだというような話も聞いたのですが、結局似たような話があったという事みたいですね。
    エンカのチカラという企画アルバムがあるのですが(持ってます)
    そこでちあきなおみは「氷の世界」歌ってます。
    これもすごく変です(笑)

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  8. なんでんtoshi2010年7月7日 14:37

    こんにちは、
    感動のあまりついリクエストを忘れていました。
    今度はあの第一勧銀出身の小椋 佳をお願いします。
    さて、どんな選曲になるでしょうか。

    選曲でその方の性格が何となく伝わるような気がします。

    【再掲載】by くりまんじゅう

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  9. はりーさん、どもです。

    しかし、「夜へ急ぐ人」というのはなんともディープな・・・^^;
    あれ?どんなんだったけ?と思って聞いてみました。
    ははは、最後に狂っちゃったようになるあの怖い歌でしたね。^^;
    インパクトありすぎです。(笑)

    喝采はちあきなおみの知人の実話だというお話は聞いたことがあります。
    なのでいちおうノンフィクションなのかな?^^;

    「氷の世界」って陽水の?って他にないか!
    聞いてみたいです。(笑)

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  10. あれ?

    なんでんtoshiさんのコメントが一つ復活してる…
    ????
    本当に不思議です。^^;

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  11. アマゾンで、「エンカのチカラ-SONG IS LIFE 70’S」
    のページで少し試聴ができます(笑)

    何なら、MP3で送りますが(笑)

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  12. 情報ありがとうございます。
    早速、試聴してきました。(笑)

    ここで・・・
    http://columbia.jp/enkanochikara/70-80.html

    怖い・・・^^;
    はい、試聴でお腹いっぱいになりました。(笑)

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  13. 知らなかったのですが、続編が出ていますね。
    わたし、最初の2枚だけ持ってます。
    そもそも、演歌の大御所、コロムビアレコードのLP音源(シングルのB面とかも)の中から、演歌歌手がポップスを歌った歌をピックアップして集めた苦し紛れの企画もの(笑)
    実はラジオで特集やってまして、なかなか良かったのでアマゾンでポチリと。
    好きなのは、ペッパー警部 / 石川さゆり(石川さゆりは色っぽいですねぇ)とか、思秋期 / 坂本冬美とか(さすが器用貧乏の坂本冬美、カラオケで歌いこんでるみたい)、for you… / 吉幾三(なぜか良いです)なんかいいですねぇ。

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  14. はりーさんもなかなかのマニアですね。(笑)

    曲のリストを拝見しながら、試聴してみましたが、残念ながら「これいい!」と絶賛に値するのは見つからなかったです。(汗)

    しかし、試聴して改めて感じたのは、売れた演歌歌手の皆さんって、やっぱりその人独特の声であったり、節回しだったりするので、そこが好きか嫌いかで、カバー曲に対しての印象も変わりますね。

    都はるみや島倉千代子はちとくりまんじゅうにきつかってす!^^;
    でも、ただ上手いだけじゃ売れないし…
    難しいものですね。

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