なんでんtoshiさんに『小椋佳』のリクエストを頂きました。
はい、昔から好きなアーティストの一人です。
さて、小椋佳。
ご存知の方はご存知でしょうか、日本最高学府の赤門、東京大学法学部出身で、当時の日本勧業銀行(その第一勧銀、現みずほ銀行)へ入行。
当然、エリート銀行マンとして証券部証券企画次長、浜松支店長、本店財務サービス部長などを歴任する傍らで音楽活動をしてきた、とっても異色のお方です。
93年、第一勧銀を退職して、再び東大文学部へ再入学。(これは知らんかった^^;)
まあ、こんな経歴ですから、頭脳明晰は勿論のこと、なにより彼の作る歌の言葉の使い方は凄いです。
ちなみに「小椋佳」は芸名です。
大学3年生の時に法律の勉強で福島県のある学生村に2ヶ月間ほど滞在したそうですが、その村の住民の姓のほとんどが「小椋」姓であったことにより命名したということらしいです。
安易っちゃあ安易ですが、まあ、顔がくりまんじゅうに似ているからっていう理由だけで「くりまんじゅう」を名乗ってるヤツが言える資格はありません。^^;
で、お名前の方の『佳』はというと幼馴染でもある奥様の名が「佳穂里」さんで、そこから一字頂いたそう。
愛しちゃってるわけですね。素晴らしいことです。^^;
本名は…
まあ、誰も知りたくもないでしょうが^^;、神田紘爾というそうです。
『こ~ちゃん』(笑)
さて、なんでんtoshiさんからは「選曲でその方の性格が何となく伝わるような気がします」などと言われて、非常にプレッシャーを感じてますし、曲調は初期の頃の『しおさいの詩』や『さらば青春』などが好きなのですが、『小椋佳』を語るなら、ここはやっぱりメロディよりも詩で選びましょうという結論は既に持ってました。
ということで…
『愛燦燦』。
そして、抑えに『夢芝居』です。(笑)
実は3年程前に一度ブログに小椋佳の詩について書いたことがあります。
それをほぼコピペしちゃうと…^^;
「参ったな」と思わず呟いてしまうような素敵な『詩』に出逢うことが稀にあります。
例えば、美空ひばりの「愛燦々」。作詞作曲は「小椋佳」です。
全編美しい日本語で彩られていますが、中でもこのワンフレーズ。
『それでも過去たちは 優しく睫毛に憩う』
このフレーズを初めて聞いた時、くりまんじゅうは唸るしかありませんでした。
「過去たち」が「優しく」「睫毛」に「憩う」のです。
そもそも過去に「たち」をつけるのも凄いですが、優しく「睫毛に憩う」なんて、普通、絶対出てこない言葉です。
聞いてしまえば、それもあるかと思いがちですが、無からひねり出すのだから驚くべき能力です。
それでいて、今まで耳にしたことのない日本語なのに、違和感がないどころか、そこはかとなく美しい。
まさに天性の才、心の深さ、そして創造力があってこそ生み出せる言葉だと思います。
郷愁。望郷。
確かに人は、過去を思い出す時、時に目を細めて遠くを見るように、懐かしさに浸ることがあります。
しかし、それを「睫毛に憩う」と表現するのには、完璧に脱帽です。
小椋佳の織り成す『詩』には、時折、美術品のような精緻さと奥行きのある美しさを感じさせられます。
とこんなことを書いてました。^^;
そして、抑えの『夢芝居』はご存知の通り大衆演劇舞台俳優の梅沢富美男への提供楽曲。
そう別名、『下町の玉三郎』
で、そんな梅沢に書いた曲のワンフレーズ。
『稽古不足を幕は待たない 恋はいつでも初舞台』
これにもやられちゃいました。(笑)
ついでにここも!
『男と女あやつりつられ 心の鏡 覗き覗かれ』
「心の鏡、覗き覗かれたぁ、しっかし、上手いこと言いやがんなぁ~」というのが正直なところです^^;
はい、第25回日本レコード大賞作詞賞を受賞するの分かります。
まあ、プロが見ても唸る詩です。
話は小椋佳ではないのですが、その時、一緒に中島みゆきの詩についても書いていたのでこちらもついでにコピペしておきます。(お写真、まだたくさんあるので^^;)
同じように、中島みゆきの詩にもヤラれることがます。
例えば、『糸』という曲のサビの部分。
『縦の糸はあなた 横の糸はわたし』
『織りなす布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない』
見えない運命の糸で、出会うべき男女は結ばれているという、少しベタな言い伝えを軸に歌われた曲ですが、ただ結ばれ合うだけではなく、さらにそこから、その糸で「布」を「織り」、「誰か」を「暖める」という発展的な発想には思わず唸らされました。
言葉の使い方としても、「織りなす」と「暖めうる」というのが、実に秀逸です。
「織り」「成す」から「暖め」「得る」。
前の語句を後の語句でしっかりと受け止めているので言葉が安定しています。
仮に着眼としてそこまでの発想は出来たとしても、言語能力がなければ、「織った布は いつか誰かを 暖めるかもしれない」というようなものになってしまうでしょう。
もし、そうになれば、まるで凡庸で面白くない曲に聞こえてしまうかもしれません。
『糸』の歌詞の最後は次の言葉で締めくくられます。
『縦の糸はあなた 横の糸はわたし』
『逢うべき糸に 出逢えることを』
『人は 仕合わせと呼びます』
「幸せ」でなく、「仕合わせ」です。
けれど、間違いではありません。
えてして私たちが、無知なことが多いだけです。
辞典によると「仕合わせ」とは、「運命の巡り合わせ」という意味なのだそうです。そして、「幸せ」というワードをあえて使わずに、「仕合わせ」と繋ぎ、それを掛け合わせてさらに大きな「幸せ」を表現しているのです。
うーん、恐るべし、中島みゆき!と言わざるを得ません。
正しい日本語を知らないと使えない言葉だとしみじみ思います。
文章を書くのが恥ずかしくなってきてしまいます。(^^;
と書いてました。^^;
さて、お写真の方ですが、家から歩いて3分の場所にある武家屋敷です。(6/24)
「ふるさとづくり特別対策事業」の一環として古図面と建物に残る痕跡を元に旧安中藩の郡奉行役宅と家臣の長屋を当時の姿に復元したもの。
ブログを探ったら2年前のちょうど同じ頃に行って撮ってました。
なので、武家屋敷の説明が必要ならば、そちらをご覧下さい。(汗)
http://yume-no-nakade.blogspot.com/2008/06/blog-post_26.html
しかし、2年前の写真見てショックです。しかもかなり…
なにがショックってほぼ全編同じとこ撮っているから…^^;
いやぁ、人間、時間が経過しても見る(撮る)場所って変わらないんですねぇ~。
ちょっと驚いちゃいました。情けなくもなったけど…(汗)
あっ、2年前がそうだったように、武家屋敷を撮ったら次は隣の『武家長屋』です。
なので、明日はそちらへ続きます。
しっかし、行動パターンまで変わらないと言うか進歩が無いと言うか…
まぁ、人間、所詮そんなものかもしれません。
ということで「武家長屋編」に続きます。
< Nikon D700 + AF-S Nikkor 50mm F1.4G >
2年前はDXにシグマの30mmF1.4で今回はFXに50mmF1.4…
偶然とはいえ、こんなところまで一緒というのも何ででしょうね。^^;
おはようございます。
返信削除もう、選挙は投票にいかれましたでしょうか。
愛燦燦を選曲いただきましてありがとうございます。
選曲で性格が伝わるなんてへんな事を言って申し訳ありません。書いた後から反省しておりました。
小椋佳の歌は歌詞の言葉一つ一つに大変な神経を使っているのが伝わってきます。
小椋佳がテレビに出て話しているのを見ていつも感じることですが、この人がそのまま銀行に勤めていたらどんな銀行マンになっていたんだろうなと思います。
おそらく人当たりはソフトだが、行動、言動は他人に対しても、自分にも非常に厳しい人ではないかなと思ってしまうのです。
人生って本当に不思議なものですね。♪
武家屋敷の写真アングルが良いですね。私もこのような写真が撮れる様になりたいものです。
アングルはセンスの問題だから一生無理かも知れませんが。・・
リクエスト対応ありがとうございました。
小椋佳がつむぐ言の葉には、教養を感じます。
返信削除教養が足りない私には、超えられない壁を感じます。
実は、知人が好きでしたが、自分的にはそれほど好きでは無かったです。他人に提供した曲には時に感嘆するわけですが。
思い出すのは「ただお前がいい」俺たちの旅の挿入歌
言葉の意味は分かるけど、どうしてこうつながるのかが解らなかった。でも何故か心地よく耳に届く歌でした。
そういう意味では、作曲家小椋佳との連係プレーなのでしょう。
きっと、歌手小椋佳があまり好きではないのでしょう。
連携と言えば、谷村新司の日本語も美しいと思う曲があります「いい日旅立ち」とかね。
美しい日本語にはあこがれてしまいます。
そうそう、「幸」を「しあわせ」と読むのは少し違うのです。「幸」は「さいわい」と読んでください。
中国から輸入された言葉です。意味的には近いのですが。
日本語本来の「しあわせ」は「仕合わせ」が正しいのだと思いますよ。「仕合わせる」と言う動詞が元でしょうね。
一人だけ「幸福」になるのは、仕合わせでは無いのかもしれませんね。
なんでんtoshi さん、こんにちは。
返信削除いえ、本日はずっと家にいっぱなしで選挙へはまだ出かけておりません。
なんかいかにも梅雨って感じの薄暗いお天気で気分の方もいまいち盛り上がりません。
夕方から通夜へ行くのでその途中に選挙へは行って来ようかと思っています。
でも『黒』来て投票所に入るって…目立つかなぁ(笑)
>選曲で性格が伝わるなんてへんな事を言って申し訳ありません。書いた後から反省しておりました。
いえいえ、全然問題はございません。^^
むしろ、そんな軽いプレッシャーが緊張感を生みますので、真面目に選ぶ糧にもなります。
記事にも書きましたが、小椋佳の場合、詩で選ぶか曲で選ぶかというところが最大のポイントになりました。
で、やっぱりこの人は「詩」だろうなぁ…って(笑)
まさに、日本語の芸術家だと思います。
>おそらく人当たりはソフトだが、行動、言動は他人に対しても、自分にも非常に厳しい人ではないかなと思ってしまうのです。
分かるような気がします。そして、ロジスティックですごく論理的な思考をする人であるような気もします。
武家長屋…
この日は天気がよかったので、とにかく室内と屋外の光量の差に苦慮しました。
室内に露出を合わせると外はぶっ飛びますし、逆に外に合わせると内は真っ黒に潰れます。^^:
ついでに、同じ場所から撮っても、ちょっとカメラを振るとAEが迷って補正幅がすごく必要なので、とりあえず1枚撮ってそれをモニタで確認してから、露出補正してもう一枚!ってパターンでした。^^;
exif情報を見たら、EV+1.7~-3.0まで振ってました。(笑)
構図は…確かに仰るように、その人の感性に準じるところがありますね。
同時に「正解、間違い」というよりも「好き嫌い」の問題かもしれません。
でも、ファインダー覗きながら、あ~だ~こ~だ~構図を考えて撮った写真って自分で見ても面白くないです。
その一瞬のインスピレーションで撮った方が結果、気持ちのいい写真になるケースが多いです。
まあ、くりまんじゅうなどは自分で撮る写真のマンネリ構図に時々、顔顰めますが…^^;
はりーさん、こんにちは。
返信削除歌手小椋佳があまり好みじゃないというのは分かります。
ちょっとくぐもった声で歌詞が聞き取りにくい。^^;
実はくりまんじゅうも若い頃はあまり好きじゃなかったです。
でも、最近はまったく平気。(笑)
逆に谷村新司などは、若い頃は好きだったのですが、最近はあまり…というかまったく聞きません。なんか歌が難しくなりすぎて…(笑)
曲にしても詩にしてもなんか「聴くほうに教養」を求められている気がして…^^;
なるほど。幸いですね。
でも「何気に」に比べれば遥かに違和感がありません。(笑)
どちらも大好きで若い頃からのファンです
返信削除何故って 詩が素晴らしいのと心に残るメロディだから
カラオケ経験無し、マイカー車内限定、聞き手は犬のみ。
運転しながら大声で歌って高速を走ります(笑)
歌詞はみんな覚えました
でも 「この歌手が好き」で人物像が決まってしまうようで
なかなか人には言えません。ここでは初めて言っちゃいます
飽きずに聞いて歌うのはビートルズとプレスリーのバラード!
今のブームはTom Waitsのワルツインマチルダ
参加している合唱で歌うのはオペラの歌曲(笑わないでください)
凄いばらばらな趣味でしょー
くりまんじゅうさんの分析力とその解説の文章力に来る度に
ただただ感心~
風さん、おはようございます。^^
返信削除カラオケ経験なしですか?
最近はまったく行かなくなりましたが、昔はよく行ったものです。
でも、いいじゃないですか。マイカー高速カラオケ!(笑)
ストレス発散になりますね。^^
>「この歌手が好き」で人物像が決まってしまうようで
分かります。実にすごくわかります。^^;
くりまんじゅうも誰も言わず(言えず?)に密かに聞いていた過去があります。
後日、記事にしようかと思っていました。(笑)
なので、今は誰とは申しませんが・・・^^;
ブームのTOM WAITSって方、存じなくて、今、youtubeで聴いて(見て)きました。
なかなか渋いオジサンですね。なんかツウって感じ・・・
でも、プレスリーにしてもビートルズにしても、何十年経ってもやっぱりいい曲はいいですよね。
さりげなく見落としそうになりましたが、合唱団に入っていらっしゃるのですね。
なら、本格的ですね。^^)v