今朝、午前5時45分、シロが天国に旅立ちました。十三歳と三ヶ月でした。
今年の冬を迎えて、すっかり足腰も弱くなったシロでしたが、それでも8月迄は元気でした。けれど、9月に入り、朝、いつものように公園に散歩に出かけた後、一度戻して、ものを食べなくなりました。
それからは少し食べてはそれを戻すの繰り返し、横になっているだけで、次第に歩くことも出来なくなっていきました。
動物病院に連れて行き、そこで受けた診断は「多臓器の末期ガン」でした。
身体を酷使する猟犬なので人間の年齢で換算すれば、もう100歳近くになるそうです。老衰でもおかしくない年齢だそうです。なので、いつ、何が起きても仕方ないと思ってました。覚悟もしているつもりでした。
シロは信州、浅科村で生まれ、「神様」が安中に連れて来た犬です。
わがまま放題に育てられたけど、寂しがり屋で、一人では一時もいられない犬でした。
ぶ~このことが大好きで、いつも、ぶ~この帰りを待ちわびている犬でした。だから、ぶ~こも愛しました。
どこに出かけるのも常に一緒。日々の暮らしの希望や楽しさを貰いました。多くの安らぎを貰いました。そして、抱えきれないほどの沢山の思い出も貰いました。
そのシロが亡くなりました。
「動物病院の先生に言われたんだ。」
「悲しんじゃダメだって。泣いちゃダメだって。動物だって分かるんだって。」
「一番苦しいシロに分かっちゃうから…感謝しながら接っするんだ。ありがとうって思いながら見守るんだ。」
動物病院から帰って来た日、泣き虫のぶ~こはそう言って、以来、シロの前ではけっして涙は見せませんでした。
朝昼晩と可能な限り、ぶ~こは毛布の上に横たわるシロと一緒にいました。寝返りが打てないシロの向きを一晩中、30分ごとに変えてあげます。常に体中をさすって上げてました。
「手当て」という言葉の真の意味を知りました。
ここ数日、荒い息で苦しそうにしていました。十日以上、何一つものは食べられず、水は脱脂綿に含ませて飲ませていました。
昨日は、部屋のドアを開け、その先の玄関を空けたままにしていると、そこからずっと庭を眺めてました。
沢山の方がお見舞いにも来てくれました。
シロを浅科村に迎えに行った時、一緒に行った幼稚園児が、いつの間にか高校三年生になって見舞ってもくれました。小さな封筒にお見舞いと書き、「僕のおこづかいです」と言って、それを置いて行ってくれました。中には千円札が二枚入ってました。
人がお見舞いに来てくれると、それが分かるのか苦しそうに横たわったまま、けれど、しっぽを二回小さく叩きます。
いつの間にか背骨が不自然に曲がってしまい、寝返りもさせることの出来ない状態になったシロですが、昨夜は突然、首を起こし、丸い大きな瞳で僕らの顔をしばらく見ていました。それは、まるで挨拶でもするような顔でした。
胃液が逆流して、それが咽喉に詰まり呼吸が出来なくなり苦しがります。けれど、ただ身体をさすり、戻した胃液をタオルで拭き、「大丈夫だぞ!」と声を掛けてあげることしか出来ない自分たちが情けなくなります。
「シロちゃん、頑張ったよね。立派に最後を迎えられたよね。偉かったよね。」
「でもさ、私も頑張ったんだよ。泣かないように頑張ったんだよ。」
「でも、もう…泣いてもいいかな…」
「シロちゃん、許してくれるかな…」
早朝五時四十五分、シロは息を引き取りました。
ぶ~こはそう言うと嗚咽しました。
眠るように、安らかに…とはいかなかったけれど、とってもとっても頑張りました。
でも、それからはまるで眠っているような安らいだ顔をしています。よかった。
何かあったら連絡を下さいと言ってくれていた方々が、朝から沢山来てくれました。こんなに人に愛されたシロは幸せだと思います。
午後2時、すみれが丘聖園で荼毘に付して来ました。ぶ~こは朝から泣き伏したままシロの傍から片時も離れようとしませんでしたが…仕方ありません。実際、僕らには子もいないから、一緒に暮らした十四年の歳月は少し大き過ぎて、ぽっかり胸に穴が空いています。
辛さや悲しみにはいくらでも耐える自信もありましたが、寂しさは頑張れば頑張るほど逆にきついですね。
涙ってこんなに出てくるものなのですね。
9月30日でブログを始めてちょうど一年になります。
その間、毎日こつこつと続けて、あと少しで目標であった「年間毎日更新」になりますが、シロの為に、シロの記憶を刻む為に、明日一日だけ、更新をお休みさせていただきます。
宜しくお願い致します。
苦しかったろ。でも、頑張ったな、本当にがんばったな。
ありがとうな、本当にありがとうな…シロ。
Yume-no-nakadeを読んでから寝ようと、ふとサイトを開いたら…
返信削除目を疑いました!!
シロちゃん…
天国に旅立ってしまったのですね…。
くりまんじゅうさんの文章を読んでいて涙が溢れました。
愛犬は大切な大切な家族です。
自分の愛しい子供ですよね。。。
そんな愛しい子を見送らなければならなかっただなんて、くりまんじゅうさんもぶーこさんも、お辛いですね。
最期、お二人にずっと側について励ましてもらったシロちゃんはきっと天国で「ありがとう」って言っていると思います。
くりまんじゅうさん達に愛されて、くりまんじゅう家で暮せて最高に幸せな一生を送ったと思います。
あまりに悲しい出来事で、思いをうまく言葉にできません。ごめんなさい。
ブログの更新は気にしないで、どうか、ゆっくり休んでください。
シロちゃんの身体は無くなってしまったけれど、シロちゃんはこれからも、くりまんじゅうさんとぶーこさんの側にいてくれると思います。
ホントに私も目を疑いました。。。
返信削除シロちゃんに触れた事も、声を聞いた事もない私ですが、ブログを通してシロちゃんの存在がくりまんじゅうさんご夫婦にとってどれだけ大事な存在かは、いつも感じていました。本当に悲しいお別れで、今も辛い時間を過ごされているのではと心配しています。
シロちゃんの写真集や、くりまんじゅうさん宅の一員となったいきさつ、数々のお出掛けに同行していたシロちゃんの顔が思い出されます。
そして、最期の様子を読ませていただいて、
胸が苦しくなりました。
お二人にとってシロちゃんは愛しい子供です。
悲しみが癒える日はまだ遠いかもしれませんが、シロちゃんは幸せでしたよ!
Aっ子さんと全く同感で、お二人の下で、愛情をたくさんもらい、最期を看取られ、病気とも戦い、ありがとうと言いながら天国に旅立ったんですよ。
またブログで元気なくりまんじゅうさん、ぶ~こさんを拝見するのを楽しみにしています。今はブログ更新は気にされず、体も心もお休みしてくださいね。
最後に・・・
『シロちゃん、安らかにお眠り下さい。』
ご愁傷様です。
返信削除奥様を元気付けてあげてください。
たくさんの愛情とともに、たくさんの時を過ごし、そして精一杯の手当てをしてもらい、シロは「ありがとう」って言いながら、新しい旅立ちに走り始めたのだと思います。舌を出し、尻尾を何度も何度も振りながら・・
返信削除でも・・やっぱり・・辛いですね・・言葉もありません。
シロには触れたこともない私ですら、シロの旅立ちに涙が出てきます。
くりまんじゅうさんとぶ~こさんの、辛さ、悲しさ、寂しさは大変なものだと思いますが、今は旅立ったシロに、たくさん語りかけてあげてください。
また、お二人には心身ともに疲れもたまっていると思われます。どうぞご自愛のほどお祈り申し上げます。
「シロ、安らかに。旅立った先でも元気にな。今度出会ったら、ケンタのチキンと雪印の切れてるチーズ、忘れないようにするよ!」
最愛の家族を失う悲しみは、本当に辛く
返信削除信じられないぐらい涙がいくらでも出てしまいます。何を見ても涙涙の日がしばらくは
続くかとは思いますが、ぶーこさん、くりまんさん思いっきり泣いていいと思います。
そして、また笑顔でシロちゃんのこと
思い出してあげてください。
シロちゃん、がんばりましたね!
天国で、安らかにお休みください。
シロちゃん…残念ですね。
返信削除我が家にも13歳と9ヶ月の子がいます…。
シロちゃんと同じ末期の乳癌です。
余命3ヶ月と宣告されてから5ヶ月がたちました。
まだがんばってます…。今は目も見えません…。
この日記を読み、わたしもぶ~こさんの様に強くならなくては…と思いました。
今はお辛いですが
くりまんじゅうさん、ぶ~こさんお体ご自愛ください…。
今後も日記楽しみにしています。
シロちゃん…うちのめいちゃんがそっちに行ったら一緒に遊んであげて下さい。
二日経ち、だいぶ気持ちも落ち着きました。
返信削除大勢の方から慰めのお言葉を頂き本当に感謝しています。ありがとうございました。
Aっ子さん>
素敵な言葉をありがとうございます。そう思いたいですね。
あまり愛想はいい犬ではありませんでしたが、凄く可愛いやつでした。
メグちゃんも可愛がった上げてください。(^^)
やきまんじゅうさん>
ブログを遡ってみたら、開設した翌日に「うちのワンコ」という記事を書いてました。
http://yume-no-nakade.blogspot.com/2007/10/blog-post_01.html
開設から一ヶ月間はまだ、やきまんさん以外には公開していない時期だったから、ブログで初めてシロを知ったのはやきまんじゅうさんになる筈です。
やきまんじゅうさんにはシロに対してのコメントも沢山貰いましたね。
最後にも素敵なコメントをありがとうございました。元気を出します。
>hiroさん
ぶ~こを気遣ってくださり、ありがとうございます。
少しづつでしょうが、元気を出すと思います。
ありがとうございました。
>37SU さん
>「シロ、安らかに。旅立った先でも元気にな。今度出会ったら、ケンタのチキンと
>雪印の切れてるチーズ、忘れないようにするよ!」
随分と昔の記事も読んでくださったようですね。
ありがとうございます。
ケンタはここ半年くらい、油ぽいのが嫌なのか、あまり食べたがりませんでしたが、切れてるチーズはものを食べなくなる寸前まで食べてました。
本当はそういのは上げない方がいいといいますが、まあ、好きなものをたらふく食べて、13歳以上も生きたのだから、充分幸せだったと思います。
今後とも宜しくお願い致します。
>おっぎ~さん
優しい言葉を頂き感謝しています。
一日、また一日と気分も落ち着いていくのが分かります。結局、最後は時間の経過しかないのでしょうね。けれど、忘れてしまうことも、裏腹怖かったりします。忘れたいけど、忘れたくない。(^^;人間とはなんとも複雑である意味、贅沢な生き物だと思います。
>てんさん
そうですか、てんさんのお宅にもそんな病のワンちゃんがいるのですか。
見ているだけで辛いでしょうね。お気持ちお察しいたします。
悔いが残らないように…といっても、やっぱりなにかしら、悔いは残ってしまうのでしょうが、出来る限り、一緒にいてあげて下さい。
人間でもそうですが、誰かに傍にいてもらえることがなにより心も身体も癒されます。
大変でしょうが、頑張ってください。
今後とも宜しくお願い致します。
>シロちゃん…うちのめいちゃんがそっちに行ったら一緒に遊んであげて下さい。
その時は、きっとシロもよろこぶでしょう。
でも、まだ、もう少しだけ…先の話になることを願っています。
皆さん、本当にありがとうございました。
今日、もう一日だけ、更新はお休みさせていただきます。m(_ _)m