2009-03-19

磯部散策 前編

 磯部を歩いて来た。

 自宅から西へ約4キロ、碓氷川の辺にある小さな温泉場。中仙道を往来する人や、近在からの湯治客で古くから賑わってきた温泉地。
 明治の初期、信越線が碓氷峠を越えて軽井沢が「避暑地」となる前は、外国人別荘が多く建てられた関東の奥座敷であり避暑地でもあったという。
 今では考えられけれど、夏でも涼しかったそうである。そう言えば、磯部には昭和40年前半くらいまで天然のスケート場があったのだから、頷けないこともない。

 車は「磯部公園」の駐車場に停めた。結婚式や宴会などでは、年に1、2度来るが、旅館やホテルからそのままとんぼ返り。
 磯部を歩くなど記憶の限り、初めての経験。ちょっとワクワク。

 公園の裏手に「大手拓次」の碑がある。

 犀星・朔太郎とともに北原白秋の三羽烏といわれた大手拓次は磯部の温泉旅館出身の詩人。詩はあまり好きではないけど…(^^;

 磯部は温泉マークの発祥の地とも言われている。
 その根拠は磯部で起きた地権争いで、江戸幕府から出た判決文(1661年)の地図に温泉記号が存在しており、現在まで、それよりも古い使用例が見つかっていないことからだそう。 (まあ、少し安易な気もするが世の中そんなものなのだろう。^^;)

 あぁ、磯部簗。
 「夏がく~れば思い出す。磯部の簗、近い空♪」(笑)

 夏になるとこの場所で碓氷川に簗を掛ける。沢山の川魚が獲れるがメインはやっぱり鮎。
 磯部簗に最後に来たのは多分40年ほど前。安中駅から信越線に乗り、一駅で磯部駅。そうだ、遠い昔、祖母に手を引かれて二人でよく磯部に来ていたことを思い出した。

 遊歩道から碓氷川へ下りてみた。石の川原を歩いてみた。
 長い時間、大水が出るたびに侵食されたのだろう、地層が剥き出しになっていた。

 しばらく川を下ってから、Uターンをして温泉街に戻った。

 これは「愛妻橋」。最近出来た橋である。大きな橋で大型車もバンバン通れるか、風情の欠片も感じない。


 その向こう側に掛かっているのが古くからある「鉱泉橋」…確かそんな名前だったような気がする。違っていたらごめんなさい。


 碓氷川の辺から安中一の巨大建物を仰ぎ見た。(笑)
 小さな温泉地に一際大きな巨大温泉旅館。

 「舌切り雀」のお宿・・・

 これは明治の児童文学者、巌谷小波が「舌切り雀」の伝説が伝わるという磯部を訪れ、舌切り雀の昔話(日本昔噺)を書き上げたことから。
 まあ、おとぎ話自体は各地で昔からあるものの、巌谷小波が児童文学として現代に残したことにより、磯部温泉は舌切雀伝説発祥の地とされているそうだ。

 でも…(^^;


 それにしても人がいない。まったくいない。困ったほどにいない。大丈夫なの?と尋ねたら、ダメです!と正直にこたえるだろうと思うくらいに、いない。

 バブルの頃は凄かった。もう、人でごった返していた。


 写真は碓氷川沿いの遊歩道を西に進んでますが、話はちょっと脱線する。(笑)

 この磯部温泉という温泉地、特にまわりに有名観光地があるというわけでもないし、お湯が物凄くいいというのでもないのだけれど、特に首都圏の知っている人は知っていた。とってもよく…

 当時(バブルの頃)、この温泉地の売りはなんと言っても「あちら」系だった。「あちら」系って「何」っていわれても、それはあえて答えない。(笑)まあ、昔の山中温泉とか山代温泉とかと同じ方向性という感じ…かもしれない…(今は知らないけれど…)


 もうソッチ系が大好きな殿方たちがわんさか押し寄せては夜な夜なハッスルしていた。
 もう20年以上前の話だから、時効なので書いちゃいますが(笑)、正直言って凄かった。(^^;


 (あっ、写真に写っているホテルとお話はリンクしません。無関係…)

 でも、基本的に市内の人はそういう実体はあまりご存知ありません。なぜかというと市内の人たちの宴会だと「そういう」メニューはないのです。まあ、噂は聞いてた人も多かったでしょうけど…
 でも、遠く方やって来たお客さんには「そういう」メニューが載る。しかも沢山…


 どういうメニューか…気になります?(笑)
 お上品なブログを標榜する「Yume-no-nakade」なので、あまり詳しく書けないのですが、じゃあ、一つだけ…(笑)


 例えば、とても驚くような芸をもったオネエサンがいらっしゃいました。
 浅草、吉原辺りで芸を身に付けたオネエサン。
 例えば、よ~く洗った(^^;小銭数枚と丼一つを用意します。で、お着物の裾を捲り上げて、小銭を身体の中に入れちゃいます。(爆)


 で、お丼にまたがり…(^^;
 「5円玉」「10円玉」「50円玉」と硬貨を指定して「チャリン」「チャリン」。


 もうそれだけで酔っ払ったオヂさんたちは大喜びなのですが、オネエサンの芸はそんなものでは終わりません。
 得意そうに「いくら出す?」と訊いてきて、金額を言うとそれだけまとめて「チャリチャリチャリーン」(驚)


 両手とかは頭の後ろに組んでるんですよ。どうですか、お客さん!(爆)


 今考えれば、ある種のマジックだったのかとも考えることもできますが、真偽の程は分かりません。いや、「芸」だと思いたいです。


 けれど、バブルも弾け切り、さらに今は100年に一度の大不況。もうそんな馬鹿なことに大金払ってくれる人はいなくなりました。一切…
 昔、昔のお話です。

 あぁ、バカなことを書いているうちに…前編予定枚数が終わりました。

 後編はお上品に参ります。^^;

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