2010-06-21

何気に気になる…

 何気に気になることがあります。

 何気に何が気になるかというと、実はこの「何気に」ていう表現。(汗)
 もうしばらく前からネットでの口語的文体や若者が仲間内で使う言葉として時々耳(眼)にしてきましたが、最近40もだいぶ過ぎたいい大人も人前で平気で使うので、これが「何気に」※1気になります。

 はい、誰かというと「ぶ~こ」です。^^;

 そもそも、この「何気に」…
 「何気なく」とう形容詞の連用形から転用されて作られたと思われる副詞ですが、これは『何気に』※1誤用です。

 そもそも「何気ない」の「何」とは、『そこにふさわしい何か』を指しており、したがって『しかるべき意図や考え』が『ない』様子が『何気ない』な訳です。

 しかし、その否定する『ない』をそこから外してしまうわけですから、『何気に』を正しく日本語的に解釈すれば『しかるべき意図や考え』を『持った』様子が『何気に』なわけで、意味的にはまったくもって正反対になります。

 ちなみに文中の「※1」は『しかるべき意図や考えを持った』様子の意として何気に※1使用しています。(汗)

 しかし、最近、この『何気に』…
 単なる『何気なく』の転用ではなく、もっと広い意味で使われているように感じます。

 例えば、

 1)何気にイライラしていた夕方
 2)何気に冷蔵庫を開けると
 3)何気にマンゴージュースがあったので
 4)何気に飲んでみたら
 5)何気に美味かったので
 6)何気に気分が落ち着いた。

 この『何気に』を単に『何気なく』に置き換えるのでは語感の座りが悪いです。

 で、くりまんじゅう的な感覚で解釈しようと試みると、

 1)何気にイライラしていた夕方
 2)何気に冷蔵庫を開けると
 3)何気にマンゴージュースがあったので
 4)何気に飲んでみたら
 5)何気に美味かったので
 6)何気に気分が落ち着いた。

 1)の『何気に』は「何故だか分からないが」・「何となく」・「軽く」であり
 2)の『何気に』は「何気なく」・「何となく」・「明確な目的意識なく」の意を感じ
 3)の『何気に』では「極軽い驚き」を感じつつ「何故か」や「予期せず」感があり
 4)の『何気に』には「何となく」・「意味もなく」を感じつつ
 5)の『何気に』では「何故か」・「期待以上に」・「意図せず」という意に思え
 6)の『何気に』で「何となく」・「ふと」・「何ごころなく」な感じが

 「何気に」※2するわけです。^^;

 さらに一歩突っ込むと、この「何気に」という表現は孤立を嫌い、人との意見対立を避けるかのような予防線として、断定を避けて曖昧な言い方をする現代人の特徴なのかもしれません。

 例えば、何か食べて『これ、何気に美味くネ?』とかいう表現。

 これ言う人の心情を分析すると

 「てか、オレ、別に激しく主張してるわけじゃあないんだから、否定とかはしないで欲しいんですよね。
 っていうか、まあ、オレの感覚、オレの味覚ってやつで言ってみているだけのことじゃないですかぁ……。
 オレ的にOKってだけで、そんなに激しく自信あるわけでもないしぃ…
 でも、なんなら同調とかしてもらえると、気分的にはオレも嬉しいかも!みたいな!
 で、これってどうよ!そんな感じ、しなくなくない?」


 って感じでしょうか?(爆)

 同じような言葉で「さり気なく」もありますが、これを「さり気に」って言う方はあまりいらっしゃいませんね。何気に※2何故でしょう。

 まあ、言葉というものも時代と共に変化していくものですから、最近の言葉を否定するつもりは毛頭ありませんが、やっぱり『何気に』は眼にして耳にして何気※1に気になります。^^;

 しかし、これも歳ってことなのかなぁ…と何気※2に気になる今日この頃であります。

 ※2 この場合の用法は、現代若者言葉としての方の意です。^^;

 ちなみに本文には全く関係ありませんが、本日のお写真は6/5の夕方の会社付近のもの。
 朝はマクロ、日中はチャップ散歩、ここのところそんなお写真ばかりでしたので、たまには夕方も撮らねば片手落ちじゃ!と撮ってみました。(汗)

 夕暮れ時も『何気に』いいですね。 ^^;

 < Nikon D700 + Tamron SPAF28-75mm F2.8 & AF-S VR70-300mm F4.5-5.6G >

11 件のコメント:

  1. 上から2枚目の小○製麦がナニゲに好きっす。
    そんだけ (笑

    返信削除
  2. お見事な分析!なるほど!
    「美味しくねぇ・・・」のお兄さんの心情を表した文
    へらっとしている細身の若者の話している声が、聞こえてくるような臨場感にあふれてます。

    返信削除
  3. くりさん こんばんは^^

    くりさんが何気を何気に分析している頃、
    私は何気に何気を何気なく使っておりました~笑

    夕焼け写真、素敵ですね~ ここ数日、夕焼けが見れてない
    のが切ないです^^;

    返信削除
  4. おはようございま~す。

    Tokiさん>
    O川精麦を撮る時は、いつも何気に※1tokiさんを意識します。(笑)
    以上

    風さん>
    ありがとうございます。^^;
    実際、今の若者言葉って「ぼかす」というか「曖昧」な言い方が基本ですよね。
    普段、その世代の子供(青年)たちがまわりにいれば、次第に耳慣れてしまうのでしょうが、たまに甥や姪に会うと「なんだ?その言葉は?」と驚くことがあります。^^;

    meetsさん>

    使い出すと何気※2に使っちゃうんですよね。(笑)
    まるで「どうも!」みたいに…^^;
    何気に…^^;とりあえず言って(書いて)おけばいいかと…

    昨晩は西の空が少し赤く染まっていて、「ってことは、明日は久しぶりに晴れかな!」と思っていたら違いました。^^;
    でも、異様に蒸し暑いです。

    返信削除
  5. 思い出したのは、「さらなる」という、さらに...の副詞的用法。
    日本の文法的はおかしいそうですが、政治家の先生も国会でたくさん使っておられます。
    言葉は、流れて変化してゆくものだと思うので、美しい言葉を残さねばと考えても時代が選択してくれるのではないかと思ったりします。

    返信削除
  6. 「情けは人の為ならず」
    あはは、良く間違ってますね。
    情けは他人のために有らず...だと良く解るでしょうか?
    そうやって、完全に逆の意味になってしまった言葉もあるようです。
    何気に思い出せませんが...

    返信削除
  7. さらなる…確かにいいますよね。
    でも、分法的に間違っているっていのは、結構、全然平気です。^^;
    それこそ、法は時代で変化するものですから…

    なので、「おビールのほうをお持ちしました」と言われても「こちらの注文でよろしかったでしょうか」と言われても、「1万円からお預かりいたします」と言われても…

    また「全然」を否定形で使わなくても「全然大丈夫」であったり^^;、自分では言いませんが「ら」抜け言葉も、認めれるし^^;、言葉に関しては比較的寛容なくりまんじゅうなのですが、「何気は」何気に※1に気になるのです。(汗)

    実は以前、ある方と飲みながら話してしたら、ある友人を評して「でも、ヤツはケレン味があって感じがいいよねぇ」と仰いまして…^^;
    「ケレン味」が「ない」とそれは褒め言葉になりますが、ケレン味があったら…そりゃ褒めてないで、貶していることにないます。(汗)
    よくプロ野球中継とか見ているとアナウンサーが「**はケレンミのないプレーをしますねぇ~」とか言いますが、そんなのを耳にしているからなのか、いつの間にか「ない」が失われて、「ケレンミ」だけが逆な意味で一人歩きしているような…(汗)

    まっ、その時は、指摘するのも大人気ないので軽く「スルー」しちゃいましたが、何気にも同じ危険を含んでいるような気がしまして…

    あと2、30年もしたら…
    「ナニゲにナニゲって使ってけど、ちなみに『ナニゲに』のナニて何よ?」(A氏)
    「ナニげにって言うくらいなんだから、別にどうでもいいようなことを「ナニ」って言うんじゃネ!」(B氏)
    「じゃあ、オレ、これからは目的を持って「ナニゲ無く」生きていかなくっちゃなぁ~」(A氏)
    「あぁ、ナニゲに生きてちゃ駄目だ!人間、「何気なく」生きていかなくちゃ!」(B氏)
    と、何気に※2なるかもしれない。(爆)

    まあ、「情けは人の為ならず」を「人の為にならない」と逆の解釈している方がオッソロしいほど多くいるように…^^;

    まっ、しかし、気になるだけで、人様に使うなとかは言いませんし、そもそも言えませんが…(汗)

    返信削除
  8. あっ未来から来た(笑)

    返信削除
  9. すみません。
    誤字があったので修正して、ちょっと書き加えたら、はりーさんのコメントと入れ替わっちゃいましたね。^^;

    返信削除
  10. 秋葉原が今は「あきはばら」ですが、昔は「あきばはら」だったとか…

    それは違うか!(笑)

    返信削除
  11. 間違っていると言われながらも、「檄をとばす」は「叱咤激励」の意としてマスコミ等でも使われちゃってますよね。
    まあ、マスコミで言い始めると世の中に定着します。

    最近はまったく見ませんが、若い頃は野球とか見ていて「失点」することを「献上した」というアナウンサーの表現が好きではありませんでした。
    試合である限り、点は自らが差し上げたのではなく、相手に奪われたのだから…なんだか、馬鹿にしたような表現に聞こえたものです。

    まあ、最初は明らかな凡ミスによって「失点」された時、それを揶揄するような意味合いとして使い始められたのでしょうが…

    返信削除

Powered By Blogger