2008-07-15

旧碓氷峠を歩く その4

 (旧碓氷峠を歩く その3)からの続きです。

 『入道くぼ』を過ぎると杉林になりますが…そこからもまだ平らで歩きやすい道でした。


 けれど、熊野神社から4キロ、「栗が原」の手前に来ると道はいよいよ狭くなってきました。

 もはや車での通行は不可能な道です。大雨が降る度にそこに水が流れるのか道はえぐられたようにU字になり、その両斜面には苔むした石がごろごろとしています。

 そして、「栗が原」。

 『明治天皇御巡行道路と中山道の分かれる場所で、明治八年群馬県最初の「見回り方屯所」があった。これが交番のはじまりである』と書かれています。

 ここで右側にある細い道に入るとそれが御巡行道路で眼鏡橋へ降りていけるそうです。

 花は紫陽花しか見かけませんでした。

 そして、さらに進んで驚きました。また、車が捨ててあるのです。それがまた、まるでスポットライトのように車に日差しが当たってます。^^;

 けど、この車…いったい、どうやってここまできたのでしょう?もはや、理解不能です。(笑)
 車を捨てるというのですから、人の通らない夜中でしょう。ということは、ここで車を乗り捨てて歩いて戻っていったのでしょうか。う~ん、もし、それだけの根性あるのなら、普通に廃車した方が絶対にいいと思います。

 そして、「座頭コロガシ」なる場所に入りました。

 それまでとは一転して急な山坂道です。岩や小石もごろごろしています。さらに赤土粘度が剥き出しになっていて、それがヌルヌルと湿っているので非常にすべりやすい所です。

 もはや道という雰囲気ではありません。一歩間違えれば、見える景色はジェラシックパークの世界です。(笑)
 と同時にさっき捨ててあった車が坂本側から上ってきて、その先に捨てられたと言うことはありえないと実感しました。はい、実際、ここから先は車が通れる余地のなどまったくない場所です。これはきっぱりと断言できます。
 さらにくりまんじゅうがここで思ったことがもう一つ。
 「侍マラソン」で峠コースを走る人…
 心から尊敬しちゃいました。こんな場所、走っているんですねぇ。しかも…安中の文化センターから熊野神社まで2時間ちょっとで走りきるなんて…ありえんでしょう!
 とても人間業とは思えません。
 くりまんじゅうたちは峠を下るだけなのに3時間。(笑)もはや、比較とかする以前の問題ですね。

 じめじめした湿地にオレンジ色の大きなキノコも生えてました。

 辺りは光と影の織り成す妙に神秘的な世界です。

 すぐその先に「一里塚」がありました。

 『座頭ころがしの坂を下ったところに、慶長以前の旧道(東山道)がある。ここから昔は登っていった。その途中に小山を切り開き「一里塚」がつくられている。』と書かれています。

 さらに進むと「北向馬頭観音」。北を向いてる馬頭観音です。

 『馬頭観世音のあるところは危険な場所である。一里塚の入口から下ると、ここに馬頭観世音が岩の上に立っている。』とあります。

 そうなんですね。今では史跡巡りやハイキングのような趣味や興味でこの道を歩きますが、昔は馬も人や荷物を乗せてこの道を往来したのですよね。しかも命がけで…

 道の左側が深い谷間になっていて、その崖下から、微かなせせらぎの音が聞こえていました。

 先ほどあったのが「北向」でこちらが「南向馬頭観音」です。

 『この切り通しを南に出た途端に南側が絶壁となる。昔、この付近には山賊が出たところと言われ、この険しい場所をすぎると、左手が岩場となり、そこにまた馬頭観音が道端にある。』と書かれていました。

 この『山賊』…という言葉にぶ~こが反応してました。(笑)
 「でもさ、お金とかは財布に入れておかないでパンツの中とかに隠しておけばいいんじゃない!」
 「だから、身包みはがされちゃうんだよ!」
 「えっ、それは…困るな… なら、とられても、やっぱり、お財布に入れておくほうがいいや!」(笑)

 少し道がなだらかになった先に出てきたのが「掘り切り」という場所でした。

 「両側が深い谷で道幅が狭く、小田原税勢の武将、大道寺政繁(松井田城主)がこの道を掘り割って、北国勢を防いだ古戦場跡である」とあります。
 確かに、道はここだけ細く両側が抉られたようになっていました。

 (そうなんだよなぁ…国取りの戦争をするにも皆、こんな道を歩いて戦いにいったんだよなぁ…でも、こんな山のずっと中歩いていて、途中で馬鹿らしくならなかったのかなぁ…)
 そんなことを想うくりまんじゅうでした。^^;

 「ねぇ、ちょっと休もうよ!爪先が痛くなっちゃった!」
 そう言ってぶ~こが切り株に腰を下ろします。そして、靴を脱いで靴下も脱いでいました。くりまんじゅうは少し離れたところで、その様子をパシャリ!

 これまでの道程は所々僅かな上りはあっても、大抵は下りだったのですが、ここから先は見る限りしばらく上りが続く感じなのです。

 なので、ぶ~こはしばらく座って休んでました。

 けれど、多分、この時だったのでしょう。実はこの後、ぶ~こは大騒ぎになってしまったのです。
 実は、吸血「山ヒル」が足に付きしっかり吸われていたのでした。
 それが分かったのは、再び歩き始めて5分くらいしてから…
 前方を歩いていたぶ~こが突然、「きゃー!」と悲鳴を上げました。
 「なに、どうしたの?」と駆け寄ると…
 「ヒルだよね。これヒルだよね!やだぁ、とれない!とれないよ!」とパニック状態です。手で触るのが嫌なのか小枝を拾ってそれで払い落とそうとしているのですが、ピタッと張りついたまま、まるで落ちません。
 「なにやってんだよ!そんなんじゃあ、とれないよ!」
 そう言って、くりまんじゅうがヒルを指で摘んで引き剥がし、そのまま放り捨てようとしたのですが、今度はくりまんじゅうの指にくっついちゃいました。^^;

 「この野郎!」と指先で何度も弾き飛ばしてようやく離れたのですが、しっかり吸われていたのでしょう、ぶ~この足からはしっかり血が出てました。
 「ねぇ、ヒルに吸われても大丈夫?病気にならない?」
 「大丈夫だよ!死ぬこたぁないよ」
 「もう、人ごとだと思って…」
 「でも、なんで分かったの?痛みとか感じた?」
 「なんか、まさに第六感。こういう山の中を歩いているとヒルに血を吸われるって話聞くよなぁ…なんて思って、ちょっと見たら本当にいたの!びっくり!くりまんじゅうは大丈夫?」
 そう言われて、くりまんじゅうも確認してみましたが、大丈夫でした。

 実際、その後、歩きながら石の上などをよく見ているとまるで待ち構えるようにして山ヒルがいるんです。(驚)
 さっと靴に張り付き、そしてひっそりとズボンの中へ入り込み…チューチュー血を吸うのです。あぁ、おそろしや!(笑)
 けれど、くりまんじゅうはすぐに忘れてこれでした。^^;

 で、この時、撮った写真が(多分)これ!

 たいしたことねぇなぁ・・・(^^;

ということで、更に、その5に続く…のです。(苦笑)

2 件のコメント:

  1. 家内と一緒に散歩に行くと私はいつも10m暗い後から歩きます。写真を撮り始めると足が止まってしまうんです。くりまんじゅうさんも同じようですね。
    ところで、ヒルを簡単に落とすのはタバコの火かライターを使うのが良いとテレビで見たことがあったような気がしましたが、タバコ吸いましたよね。

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  2. hiroさん、こんにちわ。

    そうです。殆どいつも50mくらいの距離がありあます。くりまんじゅうは歩くのが速いので、前に行ったり後ろに行ったりではありますが・・・

    で、その解消の為の「D40」だったのですが、ぶ~こは「重いからヤダ!」と言って自分では持ち歩きません。
    そのくせ、撮りたくなると「カメラ!」と言ってくりまんじゅうを手招きをして、撮影すると「はい!」と言って渡すのです。(^^;

    今日のブログ掲載写真も4枚はぶ~こ撮影です。(2枚は分かりますね)

    山ヒルを取り除くには「火」という話は知っていましたが、その時はまったく思い出せませんでした。

    タバコは・・・吸います・・・っていうより、吸いすぎです。(^^;

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