傳馬町の裏道をひと回りしたので、とりあえず、これで切り上げようかと思ったのですが、時間も早く、何故かもうひと歩きしたくなりました。
東に進み旧中仙道の大手の交差点を上がり、一旦、表の道に出てみます。
車がなかったり、工事中じゃないほうが、ひなびた雰囲気もあるのでしょうが、まあ、それも仕方がありません。(苦笑)
郵便局の前まで進み、そこを北に上がります。
「大泉寺」です。
このお寺さんの所在は「旧邸」であり「傳馬町」ではないのですが、これもまあ成り行きで仕方ありません。^^;
大泉寺といえば、武田の軍門に下り長篠の戦いで絶滅した安中氏の後、徳川の時代になって安中藩主となった井伊直勝の生母(直政の妻)のお墓があるお寺ですが、一部の人たち(妖怪マニアや民話愛好家)の間で有名なのは、安中の民話伝説に残る「ちゃんころりん石」の方でしょう。
ということで、伝説「ちゃんころりん石」のお話など・・・
その昔、安中は大変、商売で潤った町だったそうです。
そして、それはある日の夜から始まったと言われています。真夜中、『何』かが「チャンコロリン、チャンコロリン」とお囃子をたてながら町を往来するようになったというのです。
時は江戸の頃です。街灯などなく夜になれば街は真っ暗です。町の人々は薄気味悪がりましたが、どうにか、その正体を確かめてみると、なんと謎の石が、ひとりでに転がっていたそうです。
それ以来、町の若い衆がその石を退治しようとしましたが、歯が立りません。さらに町役人に石退治を依頼しました、弓、槍、刀、鉄砲でもビクともせずに変わらず転がったそうです。
そんなある日、町人の中の或る人が、その石の正体を見届けようと決心し、いつものように石が現れた時、その後を尾行しました。そして、石の後を付けて行くと、町外れの墓場に着いたそうです。さらに尾行を続けると、草むらが生い茂った寂しい場所に行き着きました。
そこにぽつんと石があり、転がる謎の石はその石と合体したといいます。
なんとそれは「墓石」だったそうです!
そこで、町人たちは大泉寺の和尚に相談したところ、寂しい仏が街の賑わいについ動き出してしまったに違いないと言ったそうです。そして、和尚は念仏を唱え、釘を一本打ち込んで石鎮めることとしたそうです。
その後、その墓石は大泉寺にて供養され、以降、二度と夜な夜なその石が転がるようなことはなかったと言われています。
諸説ありますが、概ね、チャンコロリン伝説とはこんなお話です。^^;
その伝説の「チャンコロリン石」がこれです。
境内をゆっくりとひと回りして…
ふと絵馬を見てみると…
なんとも「現代的」な願いが掛けられてました。^^;
山門越しに郵便局が見えています。
とても暑い日でしたが、水場を背景に楓の葉が涼しそうです。いや、実際、涼しいのが不思議です。
墓地の手前にあった紫陽花の花。
石垣沿いを歩いて「大泉寺」を後にしました。
大手の交差点を上(北)から見た景色です。
やはり車と工事中がうるさいですね。^^;
最後に傳馬町公民館へ寄りました。
ここには三社様が祀られています。
これは川上食堂の井戸。
くりまんじゅうが子供頃はたっぷりと水が出ましたが、今は枯れているようです。
緑色の輝くように苔むしたブロック塀も凄いですが…
*
それ以上に凄かったのはここにいた「蚊」の大群でした。^^;思わず退散です。
ということで、公民館奥のS田さんの家のワンコに別れを告げ…
本日の「安中の裏道を歩く」これにて終了です。
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