2011-01-28

思い出写真 冬の山梨

 突然ですが、皆さんは『無料プレゼント旅行!』って行ったことがありますか?
 はい、スーパーやホームセンター、また大型家電から街のお店屋さんなどで、時々「無料で旅行をプレゼント!」なんてやっている「アレ」です。(最近は少し見かけなくなりましたけど…)

凍結した広瀬湖

 実は今から6年ちょっと程前(2004年の秋)、大阪に本社のある会社の横浜支店の営業マンが突然「お客様に無料で旅行のプレゼントする販促企画を行いませんか?」と、くりまんじゅうの会社に訪れました。
 ちょうど暇だったので、応接室で話を聞くと「御社のお客様に旅行を無料でご提供させて頂きたい!」といきなりなんとも「胡散臭い」お話…(汗)
 しかも、「御社には顧客データをご提供頂くだけで、その旅行プレゼント企画に関するポスターやらパンフレットは無償で用意、さらに招待状の発送から旅行の案内などすべて弊社で行うので御社には一切費用の負担はありません」とのこと…
 いやぁ~、ますます、胡散臭い。臭すぎて鼻曲がりそうです。

笛吹川フルーツパークの温室ドーム
 
 当時は「個人情報保護法」の施行前。
 また上手い事言って、顧客情報だけ受け取って後はトンズラ。「こいつは新手のインチキ名簿屋か!?」と疑ったのも当然です。
 だって、そうでしょう。お客さんも会社もすべて無料って、意味がよく分からないです。
 誰が考えたってそんなの「変じゃあ~りませんか!!!」って思うなっていう方が無理があります。


 うまい話にゃ裏がある。タダほど高価(たか)いものはなし。
 で、「君子危うきに近寄らず!」ってことでその時は「興味のなさそうな顔」をしてお話だけを聞いて「ちょっと忙しいのでまた来てください」とお帰りいただきました。

 それからネットで調べましたよ。色々と…
 そこにはいったいどんな「裏」が潜んでいるのかと…(笑)

ホテルから見た甲府盆地

 結論を言いますとこいつがとことん知恵出す、まさに目だってナンボ、笑ってナンボの大阪生まれの「大阪商法」ってやつでした。(いやっ、ホントの大阪商法っていうのかどうかは知りません…^^;)
 というか、統計学と心理学に基づいた実に科学的な「商法」ってやつなんですね。

当時、お決まりの記念写真!^^;

 その仕組みはと言うと…
 まず、顧客に旅行を無料プレゼントするのですが、プレゼントする人は家族で一人。
 まずここがミソです。
 当然、一人で旅行に行くんじゃつまらないとなるわけで、おのず「同伴者」も連れて行くことはOKな旅行形態です。でも、こちらは勿論有料になります。
 けれど、ここが二つ目のミソであり、料金をあまり高くしない。値段で言うと7000円~9000円程度。
 すると人間、「夫婦で行っても一人3500円(から4500円)」と思っちゃうわけです。

ホテルで一休みするくりまんじゅう(笑)

 で、次なるポイントは、くりまんじゅうの会社程度の規模であっても一回1500人ほどのお客さんを観光地に送り込むことになります。ということは40人乗りの大型バスで40台とか…
 そして、全国のあちらこちらでこれをするわけですから、場合によっては一日数千台のバスを連日借り切るわけで、この途方もないスケールメリットを活かしてバス会社などは徹底的に叩かれていている(はずです!)。

夕暮れの甲府盆地

 さらにその人数ですから、立ち寄る先のお土産屋さんなどからも売上に応じたリベートやバックマージン(しかも高率)があるのは当然のこと。
 そして、ここがまた人間の心理ってやつを実に上手く突いているのです。
 不思議なもので「旅行費がタダ!」だと思っているので、不思議と財布の紐が緩む緩む。(汗)
 実はここには伏線が引かれていて「同伴者」の旅行料金が一つのポイント。
 例えばそれが7000円だったら、その金額までは使っても、今度はお土産代が「タダ」だと思ってしまう。
 なので、普段なら「まぁ、いいか…」と止すものも、「まぁ、いいか…」と買っちゃうのです。
 実際、お土産屋さんの熱気は凄いです。何かにとりつかれたように買いまくります。
 その姿は、まるでなにかの新興宗教の人みたいです…(汗)

富士屋ホテルの室内・・・

 昼食は行程にもよりますが、基本的にそれなりのホテルや大型旅館。昭和の香りが漂ういかにもっていうドライブインには寄りません。
 なので、食事もいいです。信じられないくらいにいい。
 所詮はタダの旅行のタダの食事と思っているお客さんの裏を思い切りかくわけです。
 これまた、不況に仰ぐ中、連日、数百人単位の人間を送り込み、その食事処を満席にしてしまうのだから、提供側は叩かれていることは間違いなし。
 ただ、旅館やホテル側にもメリットもあります。数千人の食事はすべて同じメニューでいいのでこのスケールメリットは仕入れにしても調理にしても効率は高い。
 
 予想を裏切られた食事のクオリティの高さに、感嘆の声が上がると同時にタイミングよく「お飲み物はいかがですか?」と来るのが、これまだミソ。(笑)
 普段は「いえ、お茶で結構です」と言うのに「じゃあ、おビールでも…」となってしまう人の心理をズバッと突きます。
 食事はタダですが、飲み物は有料。しかもその粗利は当然高い。
 結果、チャリチャリン…とその利益は旅行会社と折半になる。

 朝の富士

 だいたい、このあたりで旅行会社の収支はトントンになるのでしょう。
 そして、次なるは儲けの手口です。
 旅行の行程中、一箇所、宝石であったり、毛皮であったり非常に高額な商品を扱う場所に立ち寄ります。(汗)
 ただ、ここでは「押し売り」等は一切行いません。むしろ、売り込まない。
 統計商法ですから、1%~2%の人が買ってくれればいいと端から計算しているのですから、終始、欲しい人だけどうぞ!ってスタンスです。
 そして、お客さんに不安や不満を与えるのでなく、憧れや羨望を与える為に、百貨店などに卸しているようなグレードの高いメーカーの直販ショップに立ち寄ります。
 しかも、添乗員が事前に「この旅行の特別企画…」と誘い水なんぞをさりげなくくれておくから…^^;
 統計的に1500人なら15人から30人程度が必ずと言っていいほど買うそうです。^^;

覗くぶ~こ

 実は、当時、独身貴族でリッチだったぶ~この妹(義妹)はその戦略に見事にはまり「100万」近いお買い上げをしてしまいました。(爆)
 でも、高島屋マニアの義妹が「デパートで買うより遥かに安い!」と満足しているのですから、誰も文句は言えません。(くりまんじゅうなどは、馬鹿じゃねぇかと思いつつも…^^;)
 更に言うと同伴したぶ~こも、こっそりとその4分の一くらいのお買い上げ。(しかし、すべての理屈を知っていてそれですから、なんとも困ったやつ等です。^^;)
 しかも、ぶ~このような貧乏な人には用意周到、「月々1万円」というようなリボルディング払いもちゃっかりと用意されいるわけです。
 まぁ、しかし、こういっちゃうと夢がないかもしれませんが、デパートなどで販売されている宝飾品など(一般的には100万円以下のもの)というものは、そもそもその価格の7、8割は販売員の人件費や、その高いテナント代。
 まぁ、値段などあってないがごとし…^^;
 なので、数が売れるのであれば、価格はいかようにもなるわけでして…結果、まぁ、デパート価格の半分で売っても十分利益は上がり、更にその利益の半分程度は旅行会社に支払われると思われ…(汗)ぶっちゃけた話、ここで十分に利益が取れるわけです。

しかしロケーションのいい場所です。

 実際、すべてが統計的な確率です。
 仮に1万人に「旅行を無料プレゼント」すれば、その参加率が何%で、その同伴率が何%。
 そして、参加したその人たちがお土産代や買い物代として落とす確率や金額もあらかた計算済み。
 その計算をもとに「無料」で旅行に連れて行き、データを集めてまた実施。
 結果、凄く儲かるときもあれば、時には損をする時もあるけれど、1000回やれば平均値。
 トータルでプラス収支なら良し。

どこだったけかな?

 しかも、「無料だから」って行った人に不満が生じる旅行じゃなく「無料なのに」って行った人が喜ぶ旅行を提供するのだから、実によく計算され、考えられているわけです。
 くりまんじゅうは参加したことありませんが、複数回、参加したぶ~こや親族などから聞いた話ではヘタな普通のツアーより遥かに食事、温泉、立ち寄り先などそのクオリティが高いと言ってました。
 ということは、プレゼントされたお客さん、プレゼントした会社、実際にマネージメントする旅行会社。すべてウインウイン。
 唯一、被害を被るとすれば、奥さんが一人で行ってそこで高級毛皮やダイアモンドを買ってきちゃった留守番の「旦那さん」くらいでしょうか。(笑)

そう言えば、この花買いました。

 でも、そんな風に「無料で旅行に連れて」って商売になるのなら、直接、その旅行会社がやっちゃえばいいじゃん!…と思うのですが、これがまた難しいところらしいです。
 実際、無作為にDMを郵送して行ったこともあるのだそうですが、「わけの分からん会社から、いきなり無料旅行をプレゼントなんて言われても、これには絶対、何か裏がある!」と思われてしまい、まず参加してくれる人などいないそうです。(まぁ、厳密には確かに裏があるのですけど…)
 かと言って、お客さんに、その裏の仕組み(商法)をキチンと説明するわけにはいかないし…

喰われた・・・^^;

 ということで、その地域で認知されている会社名や店名が欲しいのだそうです。
 言い換えれば、「あぁ、あそこがやるのなら安心だわ!」という風に思わせないと実際に旅行に行ってもそもそもお金を落としてくれないのだそうです。
 しかし、なるほど、よく考えられてます。

 更に言えば、旅行無料プレゼント当選者は「30代~50代」の「女性」が優先的に当たります。(汗)
 勿論、あまりに不自然にならないように年代・性別「ばら」しますが…メインターゲットは50代女性です。これも統計的に間違いないそうです。(大汗)
 (実際、夫婦でご招待とか、ご家族皆さん全員ご招待とかそんなのも繰り入れて、カモフラージュしています。)

甲府盆地から見た南アルプス

 実はくりまんじゅうの会社では3年間、年に2回計6回ほどこの無料旅行プレゼントを実施したのですが、お客様からのクレームは一度もなかったばかりか、「本当にいい旅行をありがとうございました」とわざわざお土産を買って持ってきてくださるお客さんが大勢おりました。(すみません。ありがとうございます。m(_ _)m)

 しかも一度目はまだ疑心暗鬼だったお客さんも、一度行って「こりゃいいわ!」と思うのか、二度目からは安心して、さらに人を誘って率先して参加して下り、参加人数、回を増すごとにもうなぎ上り。当然、旅行会社もウハウハみたいでした。(ちなみに旅行会社からはなんの見返りはありません。)

白金工房^^;

 といことで本日のお写真ですが、そんな理屈は分かっても、それでも不安を拭いきれなかったくりまんじゅうは事前に「旅行とまったく同じコースで同じ立ち寄り場所」を個人的に巡ってきた時のものです。

 プレゼント旅行は当然日帰りですが、この時は余裕を持って2005年2月28日から一泊にて…
 なので当然、無料旅行の方は「FRUIT PARK FUJIYA HOTEL」には泊まれないことは言うまでもありません。(一泊旅行の無料は無理!しかもFUJIYA HOTELは…^^;)

偶然入った「奥藤本店」。その後、ここの鶏もつがB1グルメグランプリ獲得。

 ちなみにここ3年ほど実施していないのは、一つは「個人情報保護法」も施行されて、個人データの取り扱いには非常に神経を使うから…というのがまず一つ。
 もう一つは、次第にお客さんの財布の紐が固くなり、それに比例して旅行の質が下がってきたということもあります。(一度、旅行会社を変えたこともあります)
 実際、どんな形であれ、お客さんに喜んでもらえなければ、やる意味どころかただマイナスになるだけですから…

昇仙峡ロープウエイ頂上から・・・

 とはいえ、ついでですから、上手い旅行法を伝授しましょう。

 1)応募用紙には男性だったら「夫人名」を書く。生年月日は40~60才になるように適当に…これでほぼ、100%当ります。(汗)
 2)有料同伴にしない為、応募は友人等と相談の上、一緒に出す。また、夫婦で行きたい場合は女性の友人・知人等に名前を借りて出します。
 旅行の際に厳密な本人確認はないので、チケットさえゲット出来れば、代理参加も可能です。
 席も決まっていないので一緒に搭乗すれば一緒に座れます。
 3)出かけたら「旅行費がタダ」は忘れましょう。お土産は「必要なものを必要なだけ」に!
 4)食事は無料のお茶だけで…特にアルコール類は「結構です」といいましょう。
 5)高額商品は目の保養に…まぁ、どうしても欲しい人は別にいいけれど…
 6)旅行をプレゼントした(形になっている)会社やお店に感謝やお土産は一切不要です。

 これらをきちっと守れば、とっても安くて楽しい旅が出来ます。(笑)
 怖がる必要は一切ありません。

 ※ 尚、最近の情報は知りません。3年前までのお話ですので、そのことはご承知ください。

帰りは八ヶ岳の脇を抜けて・・・

 しっかし、こんなマジな裏話を書いちゃって、くりまんじゅう、旅行会社から依頼されたヒットマンに抹殺されないでしょうか?…(爆)
 もし、更新がなくなったら…「あっ、やられたな!」って思ってください。(大爆)

 < SONY Cybershot DSC-P5 >

7 件のコメント:

  1. 実は昨年の夏に近所のスーパーの催しで家内が当たったというので内心反対でしたが、行ってきました。確か私は8千円でした。
    家内や同行したよその人に聞いたところ只だからと評判は悪くありませんでした。
    男と女の違いかもしれませんが、私の感想は無料でも絶対に参加したくないツアーでした。
    欲しくもないお土産屋、宝石屋、寝具屋などにたくさん時間をとられリゾートで楽しめたのはたった一時間ほどでした。
    せっかくの休日はもっとお金を払っても自分の好きなところに好きなだけ時間をかけたいと思いました。

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  2. 誤解の無いように追記しますが、
    私が参加した業者がたまたまよくなかっただけのことだと思います。

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  3. hiroさん、それはご愁傷様です。

    記事にも少し記したように、確かに年々、その質は低下しているようです。
    私は一度も参加したことがなく、その実際を体験していないので正直分からない部分もありますが、3回ほど行ったぶ~この話などからは、そう受け止めましたので、うちではやめてしまいました。
    でも、世の中、色々な人がいらっしゃるので「今年はもうやらないのですが?」と要望も受けたりして・・・これが、なかなか難しいところです。^^;

    まっ、旅行の趣旨が男性は端から相手にしていないと分かっていたので、私は最初から遠慮したということもありますけど・・・一般的な男性は苦痛な旅になるでしょう。(汗)
    なので、殿方はやめた方が賢明です。(爆)

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  4. こんばんわ。
    ↓ お土産です。他意はありません。
    http://www.youtube.com/watch?v=kdJcYTh1rP0&feature=player_embedded

    そうそうTVのニュースで言ってました。
    ご存知かもしれませんが
    ペロ(榛名)湖が3年ぶりに氷上ワカサギ釣りが解禁になったそうです。
    で、思った次第で
    湖の上は公道ではない訳でつまりリード着用の義務はないかと
    希望的拡大解釈かもしれませんが
    他人様に迷惑をお掛けしなければ氷の上は広~いドッグラン。
    チャップ君喜ばないないですかね

    なんか今、フっと思ったもので

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  5. 最近は、とんとお買い物系でお出かけはしなくなったのですが、子供が小さい頃はお手軽なので、よく用事も無くショッピングセンターへ行きました。
    私はけっこうお買い物(見るの)好きです。
    まぁ、お土産屋はともかく、宝石屋、寝具屋は興味無いですけど(家具屋とか食器屋は好きです)
    それでも、昔はパソコンの怪しい部品、最近はカメラ関係とか、りかゆんが寄り付かないお店も行きたいので、現地解散(その後集合)と言うのも良くやります(ヨドバシ梅田とか)
    今は携帯もあるので解散しても合流が簡単ですし。
    けっこう婦人服とか婦人靴売り場とかも一緒にうろついていますよ。

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  6. FUNKY★DOGさん、おはようございます。

    たははは、笑っちゃう動画ですね。
    こういうのって訓練したのでしょうか。それとも自然と憶えちゃったのでしょうかね。
    しかし、こんなワンコがいればゲレンデのアイドルになれますね。

    榛名湖の凍結、聞きました。3年ぶりなんですってね。
    湖上は他の方に悪さしかしなければ、ノーリードも大丈夫でしょうが、実は昨年、チャップは完全氷結していない榛名湖にどんどん入っていってしまって…
    「氷が割れて落っこちるからもういくな!!!」と岸から必死に叫んだものでして…(汗)
    チャップ連れて行くには、冬場の榛名湖はヤバイな!と思いました。
    でも、全湖氷結なら大丈夫かなぁ?

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  7. はりーさん>

    私も昔はぶ~このデパート巡りなどにもお付き合いしたこともありますが、近年は「オレはいい!一人でいってくれば!」とその手の類にはまったく行かなくなりました。
    さらに、最近は自分の興味のあるものでも、すぐネット通販を利用しちゃう。(汗)
    旅行に行っても、なんで皆さん、そんなにいっぱいお土産とか買うんだろう…と思いながらすぐに外に出ちゃって写真撮ってます。(笑)

    確かに携帯は便利ですよね。
    待ち合わせとかに時間と場所を正確に意識する必要がなくなりました。
    ストレスがたまらない。
    渋谷ハチ公前に3時間とか待っていたあの頃!あぁ、便利な時代になったものです。^^;

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