アルプスの制覇は苦しい

　もう随分と前のことになりますが（２年くらい前だったかな？）、同級生のルミちゃんに「くりまんちゃん、アルプスって行ったことある？」と訊かれました。

　「アルプスって山の？」
　「違う。18号にあるレストラン」

　しかし、そう言われてもすぐには分かりませんでした。

　「アルプス？」
　「原市の先のレトロな雰囲気のお店だよ」
　その瞬間、ピンときました。レトロというワードが大脳皮質を走り抜けました。^^;
　「あぁぁ～、あの2階へ上がっていく、やっているんだかいないんだか、よく分からないようなお店ね！（笑）」
　「そう（笑）。」
　「いや、入ったことない」
　「でもね、あそこ意外に美味しいんだよ」
　「へぇ、そうなんだ！」

　確かにそのお店の存在は15年前、いや20年前から知ってました。
　いや、昭和の時代からだから、もう25年前以上前でしょうか。いやもしかしたら30年、35年前からかもしれません。（ワカラン^^;）

　そして、その時は「そうなんだ！」で会話が終わってしまいましたが、先日、何故か走馬灯のごとく（笑）、ルミちゃんとの会話を思い出してしまったのです。（別にルミちゃん、亡くなっちゃったわけじゃないだけれど…^^;）

　早速ネットで検索するとなんと「食べログ」辺りにレビューもちらほら見かけるじゃないですか。
　うーん、さすが情報化時代です。

　しかも、意外といってはなんですが、結構、高評価！
　となれば、最近、ネタ不足に苦しむくりまんじゅう、行ってみるしかありません。^^;
　そして、5/1日曜日。一人、春のアルプスへと向かいました。

　島崎くりまんじゅう、いざ出陣です。（笑）

　場所はここ！（笑）
　食の駅ぐんまの前です。
　ちなみに車はそちらに駐車させてもらいました。^^;

　実際、車で走っていると確かにこのオレンジ色のシート看板がかなり目立つのですが、これまでなかなか寄ってみようという気にはなれませんでした。（笑）

　この階段を上がります。なんだか、学生時代に住んでいたアパートの階段のようです。
　踊り場に立ち、店内へのドアの前、なんかとても緊張します。
　ひょっとしたら先日の「蔵 柏屋四郎右衛門」へ入店するより緊張したかもしれません。（笑）

　一つ大きく深呼吸をして覚悟を決めて、ドアを開け、店内に入るとこんな感じでした。
　写真で見るとなんか案外普通って感じがしなくもないですが、けれど、漂う空気感は明らかに平成の時代のものではないです。^^;
　しかし、その空気感が撮れないようでは未熟です。＞くりまん

　「いらっしゃいませ～」というママさんらしき女性の方の元気な声に背中を押されて店の奥へと進み、空いているテーブルに座りました。
　とりあえず店内を見回してしまいます。
　そう言えば、うちの応接間にもありました。こういうチューリップ型のランプシェード。
　ざっと40年は前のお話ですが！^^;

　実は写真を大きくボカしているには理由があります。
　いや、店内にはなんか怪しそうなゲーム機が置かれていて、それを必死にやっているオジサンがいらっしゃったから…
　「ピュン、ピュン！」って音は聞こえなかったのでインベーダーゲームではなかったですが、まず、その当時のものでしょう。（確認はせず^^;）

　とりあえずメニューは開きましたが、オーダーする品は決まってました。

　「ポークソティー」です。
　いや、ネット情報を拝見すると「ニューアルプスと言えば、ポークソテー」。
　「ポークソテーと言えば、ニューアルプス」というくらいの皆さん、一押しの看板メニュー。
　実際、他のお客さんもほぼ全員「ポークソテー」を注文しておりました。

　ポークソテーがやって来るまで読書に励みます。
　ちなみに今（というかこの時）、読んでいるのがこれ！

　石黒耀の「死都日本」です。
　最近、災害モノが多いのですが、この本は「巨大噴火が現代の日本で起きたらどうなるのかというシミュレーションを行った小説」です。
　九州が何故火の国と呼ばれるのか、そして、「破局噴火」なる言葉をこの本で初めて知りました。
　巨大地震よりさらに恐ろしいです。^^;

　待つことおよそ5分、まずやってきたのがサラダです。
　ごく普通の野菜サラダですが、マヨネーズとドレッシングのハーモニー（笑）が美味しいです。

　そしていよいよ真打のご登場！

　ドーン！（笑）

　ご覧下さい。
　これが噂の「ニューアルプスのポークソテ－」です。
　一センチ程度の厚さの豚肉がジュージュー音を立てています。
　そして、なんと言っても目を引くのは付け合せの玉ねぎとピーマンとニンジンが卵焼きの大海を泳いでいること。（笑）
　半世紀生きてきましたが、こういうお姿は初めて見ました。

　しかし、鉄板からもの凄い湯気が立ち上り、24mmレンズで寄るとレンズが一気に曇ります。
　ついでに弾ける油でカメラもレンズもベタベタです。

　そして、ポークソテーの上には、これを掛けるそうです。
　ニューアルプスファンの間では「魔法のソース」と呼ばれているらしいニンニク醤油ダレソースです。
　これをドバッと掛けるとポークソテーに「旨さの花」が咲くそうです。
　焼かれた熱々の鉄板皿に強烈なニンニクの香りと大量の脂。
　はい、くりまんじゅうのソテーにも無事、美味しい花が咲きました。（笑）

　この料理には問答無用にライスです。
　白いご飯こそがベストマッチ。
　また、最近、巷で流行りの「柔らかい豚肉」ではありません。
　これそ豚肉！という感じのしっかりと噛み応えのある豚の旨味が詰まっている肉質です。

　しかし、まさに格闘です。（笑）
　空耳でしょうか。「出てこいや～！」と高田信彦の声が頭の中で響きました。^^;

　「このヤロウ！オマエなんかに負けてなるものか！」と久々に食べ物と戦った気がしちゃいました。
　どうにか、勝負には勝ちましたが、かなり無理した結果です。
　アラフィフの身体にはキツイというより、危ないです。^^;
　でも、もう少し若ければ「これ、旨いだろうな～」と感じたことも事実です。

　こういう食べ物ってパワーというかエネルギーっていうか迫力があってのものなんですよね。
　美味しいけれど食べきらないから少量にする、な～んてことにしちゃうと途端に魅力をなくします。

　これぞまさに「対戦型食い物！」と呼んでいいでしょう。^^;

　すみません。
　アイスコーヒーすら最後まで入る余裕は体内に残っていませんでした。
　食後は30分ほど呼吸を整えながら読書してました。

　退店・・・
　ご馳走様でした。＞ニューアルプス
　敬意を込めて全景です。

　その後、車を駐車させていただいた「食の駅」に入り、「群馬のワイン」を３升購入。（笑）
　まぁ、真っ当な人として、勝手に無料駐車って訳にはいきませんから。^^;

　そして、一本をすぐご近所のyukiさん邸の玄関に留守でしたので無断放置し…
　そのまま腹ごなしにyukiさん邸近隣をお散歩でした。
　で、その時のものが以下のお写真です。

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　しかし、腹きつ過ぎて、あまり写真撮る気にもなりませんでした。^^;

　ということで「アルプスの制覇は苦しい」ものというお話でした。^^;
　以上でございます。

　＜ Nikon D700 + Sigma 24mm F1.8 EX DG MACRO ＞