禁断の世界

　ついに「禁断の世界」「禁断の領域」へと足を踏み入れてしまいました。
　ファッションドール、『ブライス』の世界です。(^^;

　実は一昨日、午後２時半頃、自宅でお昼ご飯の野菜炒めを作っている時、突然、ポケットの携帯の着信音が鳴りました。

　誰だ？と相手も確認せずに鍋を振りながら携帯を耳に当てます。

　「はい、もしもし…」
　「おう、くりまん。元気か？」
　あっ、聞き覚えのある声…

　「あっ、先生、どうもご無沙汰してます。」
　「久しぶり！」

　なんて挨拶をした後、不意に「くりまん、何やってるんだ？」と訊かれました。
　「えっ、あっ、今、鍋振ってます…」 と馬鹿正直にこたえてしまうくりまんじゅう。
　「は？」
　「あっ、お昼ご飯を作ってます」
　「これから飯か？」
　「はい…」
　「ところで、くりまん、今日、暇か？」
　「まあ、忙しくはないですが…」
　夜のことだと思ってました。

　「なら、桜撮るから、アシスタントやってくれ。助手だ！」
　「えっ？今日？これからですか？」
　「あったり前だろ！」
　「でも、今日は平日だし…まだ、一応仕事もあるし…」
　「何言ってんだ。仕事って言ったって、その辺ぶらぶら散歩してるだけだろ！」
　ぐっ、それはそれで確かに当たってますが…(^^;
　「これから行くから、ちゃっちゃか飯食って用意しておけよ…」（ガチャン）
　「……」

　およそ30分後、先生、荷台になにかいっぱい積んでる営業で使っているワゴン車のようなお車で登場しました。

　「おう、くりまん。この辺で桜のいいとこどこだ？」
　「この辺ですか？」
　先生、もともと安中出身なのにそういうこと知りません。(^^;
　「色々ありますけど、じゃあ総合スポーツセンターの桜並木辺りはどうですか？」
　「おう、いいね。そこ行け？」
　「あっ、はい…」

　先生、営業車からなんだか物凄い荷物をくりまんの車に載せました。
　「何をそんなに持ってきたんですか？」
　「色々だ！」
　「そ、そうですか…」
　「くりまんもカメラ持って行け？」
　「えっ、私もですか？」
　「そうだ。もってけ！」
　「はい…」

　駐車場から自宅へとカメラを撮りにいきました。

　くりまんじゅうの自宅から車で約５分。総合スポーツセンターの桜並木に着きました。

　でも…(^^;

　「枝が高けぇなぁ…もっと、こう低い位置に桜の花が『ドバッ』って咲いているようなとこないのか？」
　「…低いところに桜がドバッっとですか…」
　「そう。低いところにドバッっとだ！」
　「後閑の城址跡公園なんかどうでしょう？」
　「知らんけど、じゃあ、そこ行け！」
　「はい」

　総合スポーツセンターそのまま素通りです。ついでに先生、人使い荒いです。(^^;

　車の中で「腹筋とか腕立てしてるんだけど、全然痩せないんだよなぁ。腹回りとかすげぇことになってんよ。やっぱエビチリちゃんのやってるコアリズムしかないかなぁ」と助手席で言ってる先生にコクコクと頷きながら、総合スポーツセンターから、さらに５分後、城址跡公園入り口に到着です。（笑）

　「しっかし、狭ぇ道だなぁ～対向車に爺さんとか運転してきたらヤバイじゃん！」
　爺さんが運転してきたらヤバイかどうかは分かりませんが、確かに、公園まで離合も出来ないほどの細い道なのです。

　幸い、一台出合った対向車もちょうどそこだけコーナーで道幅が広くなっているところでしたので、スムースに公園にご到着。

　「桜まつりとかやってるじゃんか！おぉ、いいよ。いいよ。ドバッっといっちゃってるよ！」
　先生、辺り一面、満開に咲く桜にいたくご機嫌のご様子です。
　駐車場に車を停めると沢山の荷物を持ってオッチラ、オッチラ、公園の坂を上がります。

　「きついんだよなぁ、この身体にこういう坂は！」
　息を切らしながら、そんなことを言いながら坂を登る先生に「そういうことを言ってるから痩せないんですよ」と人のことをまったくいえないくりまんじゅうでした。(^^;

　桜の枝が低い位置にある場所へ到着。早速、先生、カメラを取り出し、なにやら準備を始めました。

　「先生、私は何をすればいいでしょう…」
　「うん？ちょっと待ってろ！」
　そう言って、先生が取り出したるはなんとファッションドール『ブライス』でした。（笑）
　そう被写体メインは桜じゃありません。『ブライス』主体で桜は背景、脇役です。

　「おい、くりまん。これもって顔に光当てろ！」
　レフ板取り出し、くりまんじゅうに指示を出します。
　レフ板なんて初めて使うくりまんじゅうは勝手が全く分かりませんが、先生の「もうちょっと斜め下から…そう、そこ、いい光、貰ってるよ～」とノリノリでシャッター切り始めました。

　あっ、ご紹介が遅れましたが、ブライスフォトグラファーの「Ａっ子先生」です。（笑）

　よく見ると人形にあわせて三味線とか小道具もあります。(^^;
　先生、地面に寝そべり、バシャバシャシャッターを切った後「よし、今度はこっちの子でいくよ！」と言って、別の人形取り出しました。

　立ったり座ったり寝そべったり忙しいです。
　ちなみに、まわりの人たち、見てはいけないものを見てしまったような顔してました。^^; 他のカメラマンは「桜撮らずに何撮ってんだ？」って興味深そうに望遠レンズで覗いてました。（笑）

　その後、「くりまん、これかしてやるから、お前も撮ってみろ」と言われ…撮った写真がこれまでの写真であり、この後の写真なわけです。

　先生、『ワールド』に入ってます。近寄り難い雰囲気です。

　けれど、徐々にくりまんじゅうも禁断の『ワールド』に入ってしまいました。^^;

　実際、たいしたアシスタントは出来ませんでしたが、結局、なんだかんだと２時間ほど撮影してしまいました。

　普段けっして見ることの出来ない先生の撮影風景も拝見させて頂きました。

　陽も落ちかけ、最後に、先生、桜と夕暮れの妙義山にレンズ向けてました。そのお姿は「女・渡辺謙」に見えました。（煮込んだけど･･･違う、Nikonだけど^^;）

　きっと、こんな写真が撮れたのではないかと思います。 分かりませんけど･･･

　「くりまん、お茶飲んでくか？」と言われましたが、「すみません。仕事があるのでこれで失礼致します。」とくりまんじゅうの自宅の駐車場でお別れしました。
　先生は安中園から漂う焼肉の香りに「あぁ、安中園で、肉食いてぇ！」と言ってましたが、「次の飲み会は安中園でやりましょう。で、２次会はそのままうちの和室でもいいし」というと「おぉ、それいこう！」と陽気に営業車（のような車）に乗り込んでいきました。
　ちなみに、その後、ルミさん誘って「100円マック」で夜遅くまで粘ったそうです。付き合わなくて良かったです。^^;

　でも、楽しかったです。アシスタントしますので、また誘ってくださいね！＞Aっ子先生！(^^)v

（あっ、本記事は（多少の実話を元にした）フィクションであり、その言葉遣いや会話の内容に解釈の違いも一部あるかもしれませんが、何卒、ご了承ください。）