2007-11-14

北陸、冬の雷

ずっとその土地に住んでいると、文化にしても、風土にしても、風習にしても、食べ物にしても、気候にしても…様々なものに対して、自分の知っているものだけが、当たり前であることのような錯覚に陥ることがあります。




以前、仕事に関係する研修会で北陸の福井へ出かけた時でした。季節は二月、真冬でした。会場は福井市内の最近建てられたと見える近代的なホール。午後二時、会場へ入る時は雲一つないような青空が頭上に広がっていました。

その研修会はおよそ3時間ほどでした。すべてのカリキュラムが終わり、最後に司会の方が締めの挨拶をした後、こう付け加えました。
『最近はこの辺も雪が少なくなりましたが、今、外はまさに冬の北陸になっています。是非、ご堪能ください・・・』

最初、云わんとする意味がよく分かりませんでした。けれど、実際に外に出てくりまんじゅうはびっくりです。
会場に入る時には青空、そして周囲にも殆ど雪などなかったのに、あたり一面、真っ白です。しかも、その雪の降り方がとにかく半端じゃないのです
くりまんじゅうはスキーをするので、吹雪の山や雪深い里も見慣れています。けれど、そんなくりまんじゅうも腰を抜かすほどの信じられないような降り方なのです。

普通、雪は上から降ります。当たり前です。けれど、その雪は上からのみならず、右からも左からも、そして前からも後ろからも、さらに下からも降り上がってくるのです。
これがもし山の中であれば、それもある程度、納得してしまうのかもしれませんが、福井市内の街中なので、その降り方が異常に感じてしまうのかもしれません。
そして、極めつけは「雷」です!『ピカッ!』と光り『ドッカーン』と鳴り響きます。あたり一面、雪景色なので、それに反射してもう陽が落ちきった夕方なのに昼間のような明るさになります。

上毛カルタでも『雷と空っ風、義理人情』というように、群馬は『雷王国』です。ですから、雷自体はさほど驚きません。免疫も充分にあります。
けれど、真冬の雪の夕立というのには、心底、驚かされました。夏のあの雷雨が、雪でやってくるのです。「まさにバケツを引っくり返したような」といえば、群馬にお住みの方ならイメージが沸きやすいと思います。

知らないとは恐ろしいことです。この時、初めて、冬に雷が鳴ることをくりまんじゅうは知りました。そして、北陸では雷は『冬の風物詩』であることも・・・(そういえば、『ぶり興し』なんて言葉もありますものね・・・)



狭い日本と言われますが、行く先々で本当に様々な驚きがあります。ホンの些細なものから腰を抜かすほどのものまで…

実際、歳を喰っても、まだまだ、世の中知らないことだらけです。日々、勉強です。

1 件のコメント:

  1. 北陸、冬の雷・・・私も経験したんです!!
    富山県に法事で行った時の事です。
    私の場合は、雷&雪・・・ではなく見た事もない位の大粒のヒョウでした。季節は冬12月です。
    車の外に出られない位の激しい雷とヒョウに驚いてしまった私は、何か地球に大異変が起きてしまったと思い込み、留守にして来た群馬の我が家が心配になり、泣きそうになってしまったんです・・(笑)
    それなのに地元の人は平然としています。
    雷は夏のものだと思っていた私は、しばらくの間、この体験談を話しまくりました。
    二度聞かされた人もいるかも・・・。


    くりまんじゅうさんのブログって本当に勉強になります。いつもありがとうございます!

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