スキーを初めて履いたのは、多分、小学校の時だったと思いますが、はっきり言ってそれは殆ど記憶がありません。憶えているのは高校二年生の冬、友達たちと苗場スキー場へ行き、吹雪の中で曲がれない、止まれない、凍える!で死にそうになったことが最初です。
それから24、5歳までは一冬10日から15日くらいゲレンデにも行っていましたが、完璧な「レジャー」スキーヤーでしたので、滑っている記憶よりも呑んでた記憶しか残ってないのが悲しいです。
スキーをやめてしまったのは映画「私をスキーに連れてって」で、突如、スキーブームが訪れて、ゲレンデが「芋の洗い場」になってしまったことに起因します。
最後に行ったスキー。それは、今でもはっきり憶えています。仲間たちと車2台で「片品高原スキー場」へ向かったものの、道は悪魔の大渋滞。本当ならば2時間程度で着く道のりが、5時間経ってもたどり着けません。
それでもようやく国道からスキー場へ向かう道まで入ったのですが、そこから先はさらに地獄でした。
駐車場が完全にオーバーフローしてしまっていて渋滞の列は「ピクリ」とも動かないのです。ふと見ると、道をとぼとぼと歩くスキー場の渋滞整理の係りらしきの人がいたので尋ねました。
「あのう…どのくらいかかりますか?」
「………」
おじさんは無言でした。そして、黙って首を横に振りました。
その瞬間、悟りました。そのおじさんが何を言わんとしようとしているのか…
無理なのです。そう、今日、明るいうちにスキー場へたどり着くことは…もはや、無理だということを。
車内の仲間たちと相談した記憶もありません。無言で反対車線へ車の頭を入れ、数度の切り返しの後、今来た道をただひたすら走ることになりました。車内はなぜか妙に静かだった記憶があります。もう、みんな疲れちゃったのです。
この日を最後にスキーとは決別しました。仲間たちもみなやめてしまったようです。
それから十五年以上。くりまんじゅうの頭の中にはスキーのスの字も浮かびませんでした。
切っ掛けはある日、ある時、ふとカミさんと話をしていて、「かつてはスノーボードしてた」というそれまでまったく知らない話を聞いたことでした。
「ウソッ!、マジ?」
「そんなの一度もきいたことなかったよ~!」
「そうだっけ?ヘタだけどね…」
「そっか。じゃあ、試しに行ってみるか?くりまんじゅうだって昔はやってたんだぜ。スキー」
「いいけど、ボードはイヤ!転ぶと痛いし…でも、スキーならいいよ…」
「よし、行くぞ。スキー」
そして、そのシーズン最後押し迫った3月の末日に、15、6年ぶりにスキーを履いたのです。(レンタル)
場所は妙高杉野原スキー場。高速がなかった頃はとても日帰りでいけるスキー場ではありませんでしたが、今は本当に便利快適です。
久々のスキーは非常に怖かったです。でも、何本か滑っているうちに徐々に感覚が戻ってきて、心は若き頃にフィードバック。
「ヤッホー♪」
けれど…身体はまぎれもなく歳をとってました。帰り際、なまった身体が慣れない運動で悲鳴を上げ、疲れた肢が攣ってしまって大変なことになってしまいました。(笑)
そのシーズンはその一回きり。翌シーズンは多分2回ほど。再開したといってもお遊び程度でした。
で、突然、やる気になってしまったのが、その次のシーズンからでした。理由は簡単です。カミさんに新しい「板」と新しい「ブーツ」を買ってもらったからです。(実際、レンタルって結構面倒なんですよね。値段も高いし…)
道具も十五年で大いに変わってました。特に板の変わり方は凄かったです。
おいおい、こんな短くていいのか?
いったい、なんなんだこのシャモジみたいな形は?
最初はかなり違和感がありました。
板が変わっただけではありません。滑り方も変わってました。
なんだか、皆、昔のレーサーみたいな感じで滑ります。曲がるのに身体をすごく傾けて、ストックも殆ど突かないで凄いスピードで滑っていきます。
あれが今の流行の滑り方?
疑問に思ったくりまんじゅうは、まわりにスキーに詳しい人がいないのでネットで調べてみました。
シャモジみたいな短いスキーをカービングスキーといい、滑り方をカービングターンというそうです。カーブは最初、曲がるの方の「curve」かと思ったら、「carve」であって彫る方の意味のカーブでした。エッジで雪面を「グイン」と彫るターンです。
それから暇があるとネット上の様々なスキーサイトを覗くようになりました。
で、感想は…
「いやあ、スキー馬鹿って、まだまだ、世にいっぱいいるのですね!」
けれど、それまでスキーを滑るといっても自己流で好き勝手に滑っているだけで、基本など何も知りませんでしたし、なにより、スキーという運動を頭で考えて滑ったことなど一度もなかったので、すごく勉強になりました。と同時に、興味の対象がぐっと深まりました。それまで意識の欠片もなかったスキー検定やスキースクール、その体験記や受講記なども様々なサイトで大変面白く、読ませていただきました。
で、先々シーズンあたりに感染してしまったのです。「スキー馬鹿菌」はくりまんじゅうの体内へも入り込み、現在も増殖中です。(笑)
この菌は冬場の寒い時に猛烈に活動しますが、夏場は基本的に休眠してます。が、時折、刺激を与えると活動を活発にしますので、今年は真夏にスキー板を買ってしまいました。(爆)今までならば、信じられない行為です。
(ここ)は一年中、まるで日課のように眺めています。
もう一つ、大好きなサイトがあったのですが、この春、閉鎖されてしまいました。かなり落ち込みましたが、そのうちきっと再開してくれるだろうと期待してます。
少しずつ寒くなってきて、体内の馬鹿菌が徐々に活発になってきました。初滑りはいつになるか、今から楽しみです。おニューのスキーも待ってます。
来年は「白銀のシーズン」とかいうスキー映画がロードショーされるそうです。でも「私スキ」のように、加熱ブームにだけはならないことを希望します。くりまんじゅんの2度目のスキーが終わりますから…
まあ、大丈夫だと思ってますけど… (笑)
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