2007-10-25

Forget-me-not

春から夏にかけて薄青色や鮮青色で、小さな5弁の花を咲かせる「忘れな草」。「Forget-me-not」はその英名です。

忘れな草は、中世ドイツの悲恋伝説に登場する主人公の言葉に因むそうです。

その昔、ある騎士が、ドナウ川の岸辺に咲くこの花を、恋人の為に摘もうと岸を降りたのですが、誤って川の流れに飲まれて溺れてしまったそうです。
騎士は最後の力を尽くして花を岸に投げ、「Vergiss-mein-nicht!((僕を)忘れないで)」という言葉を残して死んでしまったといいます。残された恋人は彼の墓にその花を供え、髪に一生飾り続けて、彼の最期の言葉を花の名にした…そう伝えられています。

ドイツ語のVergiss-mein-nichtが英語で直訳されてForget-me-notとなり、そして、日本語で「勿忘草」(わすれなぐさ)となりました。調べてみたら、1905年(明治38年)に植物学者の川上滝弥によって初めて「勿忘草」と訳されたそうです。

「忘(わす)れ」「勿(なか)れ」「草(くさ)」

英語に直訳されたForget-me-notという花の名前を「勿忘草」と日本語に訳した感性に、くるまんじゅうは脱帽です。
漢字もいいですが、言葉の響きも美しいです。
いい名前に訳したものだと、改めて感心してしまいます。

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和名の植物には素敵な名前の植物が沢山あります。
くりまんじゅうが好きなのは、例えば、「風を知る草」と書いて「風知草

日本原産で古来からある植物です。細くて柔らかい葉が風になびく姿に風情を感じた誰かが名づけたのでしょうが、とても素敵な名前だと思います。

イネ科の植物であり花らしい花も咲かないので、植物に興味のない人には単なる「草」に見えてしまいますが、いい鉢を与えると他にない美しさを見せます。

玄関脇に風知草が一鉢置いてあるだけで、住んでいる人の知性を感じてしまいます。
 

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